深呼吸でストレスを解消するコツは?

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まもなく夏本番ですね。
4月に入社した方や異動で新しい部署に変わった方は、だんだんと仕事を任されて、忙しい毎日になっている時期かと思います。
忙しいときは、つい目の前の締切に追われ、気持ちに余裕がなくなっていることも多いのではないでしょうか。
そんな時は、ぜひリラクセーションを試してみてください。
リラクセーションの方法はたくさんありますが、今回は、とくに簡単なリラクセーション法をご紹介します。
それは、皆さんもご存知、深呼吸(呼吸法・腹式呼吸・横隔膜呼吸法。以下、深呼吸と呼びます)です。
深呼吸については、産業保健新聞で何度も取り上げていますが、今回はより詳しくお伝えします。

呼吸法の魅力・効用

「なんだ、深呼吸か。大げさだよ」「もうやってるよ」という声が聞こえてきそうですね。
深呼吸は身近なリラクセーション法ですので、すでに多くの方が実践しているかと思います。
その通り。
その簡単さ気軽さこそが深呼吸の最大の魅力ともいえるのです。
また、深呼吸の効用はネットでもたくさん書かれていますが、以下のとおりです。

【深呼吸の効用】

1.生理的効果
ゆったりとした深い呼吸は副交感神経を刺激して血管が開き、抹消神経まで血流が良くなる結果、筋肉が弛緩し、体がリラックスすること。(小林、2011)

2.心理的効果
深呼吸により心身がリラックスした状態になると、余裕をもって自己をコントロールできるようになる結果、いろいろな刺激やストレスに過剰反応しないで対処できるようになること(ストレス耐性の向上)。
また、呼吸に受動的な注意を集中することにより、心身への気づきが高まり、内省力、自己向上性が増大することなど。(藤原、2006)

深呼吸の方法

深呼吸の方法もたくさん紹介されていますが、ここでは厚生労働省のホームページに掲載されている方法をご紹介します。

1.椅子に腰掛けている場合は、背筋を伸ばし軽く目を閉じ、お腹に手を当てる。
立っている場合も、リラックスしてお腹に手を当てる。
2.「いーち、にー、さーん」と頭の中で数えながら、ゆっくりと口から息を吐き出す。
3.息を吐き出せたら、同じように3秒数えながら、今度は鼻から息を吸い込む。
4.上記2・3を5~10分くらい繰り返す。

【留意点】
・ 息を吐くときにお腹がぺったんこに、息を入れたらお腹が膨らむ…。
そう意識して呼吸すると、より深い呼吸ができるようになります。
・ 「今日は何をしなければいけなかったかな」などと余計な考えが浮かぶこともあると思いますが、そんなときは気にせずさっと流して、また「いーち」から数え直します。

参考:『腹式呼吸をくりかえす こころもメンテしよう 若者のためのメンタルヘルスブック』(厚生労働省)P12

リラクセーションを上手に得るには

一般的にリラクセーションを得るためには、以下のコツがあります。

1.静かな環境で行うこと
2.心を向ける対象を決めること
黙ってもしくは声に出して、音、言葉、句、を繰り返したり、動かない対象に見入ったりすることによって、だらだらと雑念が続かないよう追い払う手助けとなります。
また、いつもの呼吸のリズムに注意を向けると、音や言葉を繰り返す効果が増すので効果があります。
3.受け身の態度
すべての考えや雑念を追い払って心を無にします。雑念が現れて気になったら「心を向ける対象」にひたすら注意を向け続けます。
4.楽な姿勢
少なくとも20分は同じ姿勢が保てるような楽な姿勢をとります。大抵は座った姿勢が良いようです。
(ベンソン・クリッパー著、中尾・熊野・久保木訳、2001)

また、深呼吸を5分間程度ひたすら続けていればほとんどの人の脳波にα波が出てくるとの指摘もあることから(有田、2003)、2~3分ではなく少なくとも5分程度行ったほうが良いかもしれません。
加えて、過呼吸を避けるため、深呼吸を行う際はゆっくり行うことが大切です(有田、2003)。
より効果的に深呼吸を行うには上記の内容に気をつけることが必要ですが、まずは、職場の休憩時間やトイレのついでに気軽に行ってみてはいかがでしょうか。
筆者の経験では、深い呼吸をすると気分が落ち着き、肩が軽くなり、視野が広くなったと感じることが多いです。
なお、ご自身で行ってみて気分が悪くなったりする場合は直ちに中止して医師に相談することをお勧めします。
弊社では本件記事をご自身が実践した結果不具合が生じた場合であっても責任を負いかねますのであらかじめご了承願います。

【引用・参考資料】
・ 有田秀穂『セロトニン欠乏脳』(日本放送協会出版会、2003年)P73、83
・ ベンソン,H.,クリッパー,M.Z.(著)、中尾睦宏・熊野宏昭・久保木富房(訳)『リラクセーション反応』(星和書店、2001年)P124-125、164-165
・ 藤原忠雄『学校で使える5つのリラクセーション技法』(本の森出版、2006年)P14
・ 小林弘幸『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版、2011年)P161
・ 厚生労働省『腹式呼吸をくりかえす こころもメンテしよう 若者のためのメンタルヘルスブック』(2010年)P12(2019年6月15日取得)
・ 富岡光直「リラクセーション法」(「心身医学」57、1025-10312、2017年)

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中島 健太

中島 健太株式会社ドクタートラスト 

投稿者プロフィール

臨床心理士・産業カウンセラー
身近な話題を分かりやすくお伝えしたいと思います。

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