野菜不足、睡眠不足…。国民健康・栄養調査から見る!働く世代別の健康課題

国民健康・栄養調査とは、毎年厚生労働省が行っている調査です。
ランダムに選定されたさまざまな地域の対象者(平成29年調査は約7,000名が対象)について、身長・体重や病歴などの身体状況、食事内容などの栄養摂取状況、生活習慣の調査が行われます。
厚生労働省のホームページで前年度分の結果が公表されており、国民の健康や生活習慣に関する課題の抽出に役立てられています。
ここでは、2018年9月に公開された平成29年調査の内容から、世代別に健康課題を取り上げていきます。

各年代の課題は?

① 20~30代

20~30代は男女問わず、野菜摂取不足が顕著という結果が出ています。
野菜摂取の目標量350gに対し、20~30代の平均摂取量は243g。
100g以上不足しています。
加えて、朝食の欠食率が高いのもこの世代の特徴です。
特に20代男性の約3人に1人、女性は約4人1人朝食を欠食しているという結果が出ています。
働き盛り世代が朝の貴重なエネルギー源を抜くというのは、午前中の仕事の能率にも影響を与えてしまうかもしれません。

② 40~50代

40~50代にみられる課題は、睡眠時間です。
一日の平均睡眠時間が6時間未満と答えた人の割合は、男女ともにこの世代が最も高くなっています。
特に40代は男性48.5%、女性は52.4%と約半数。
人によって適正な睡眠時間はさまざまとはいえ、もっと寝たいけど仕事や家事に追われて……という方が多い世代かもしれません。

③ 60代以上

定年退職の影響か、運動習慣の面で一日の歩数がくんと減り始めるのが60代以上です。
50代と60代を比較しても、男女ともに約1,000歩/日、70代はそこからさらに約1,500歩/日と減っていきます。
これらは筋肉量に影響を及ぼし、将来介護が必要になる要因となる可能性もあります。

企業として取り組めることは?

これらの課題に企業として取り組めることはなんでしょう。
社員の健康は、会社の活気や生産性にもつながります。
社員が心身ともに健康でいられるよう、野菜不足の対策として社員食堂で野菜メニューキャンペーンを行う、できるだけ階段を使うように張り紙をするなど、社内の健康増進に一体となって取り組みましょう。

将来の健康のために、今日から改善を!

ご自身の世代での健康課題はあてはまったでしょうか。
あくまで日本人の平均的な傾向ですので、すべての方にあてはまるものではありません。
しかし、どれも将来に大きな影響を及ぼす課題ばかり。
ご自身に当てはまった!という方、当てはまる社員が多いかもしれない!と思われた方は、ぜひ改善への取り組みを実践してください。

<参考>
厚生労働省「平成29年「国民健康・栄養調査」の結果」

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本多いずみ株式会社ドクタートラスト 管理栄養士/健康運動指導士

投稿者プロフィール

従業員向けセミナーや特定保健指導を通して、食事や運動・生活習慣のアドバイスを行う管理栄養士/健康運動指導士。「楽しく賢く健康になる」がモットー。「見た物のカロリーがだいたいわかる」という特技を持っている。
保健指導の経験を積むなかで、働く環境が心身の健康に及ぼす影響の大きさを実感。個人の食事や運動にとどまらず、組織全体の健康にアプローチができる医療職を目指し、健康経営のアドバイザーも務める。
【保有資格】管理栄養士、健康運動指導士、第一種衛生管理者、健康経営エキスパートアドバイザー
【ドクタートラストの特定保健指導サービス詳細はこちら】
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