「幸福経営」という考え方

産業保健新聞をご覧であれば知らない方はいないであろう「健康経営」というワード。
健康経営優良法人等の表彰制度から、それを支援する健康経営アドバイザーなる資格も出ており、実にホットな話題ですね。
「健康経営」とは、従業員の健康管理を経営課題の1つとして捉え、戦略的に実践することです。
従業員の健康管理ということですが、それにはもちろん心の健康も含みます。

心の健康

「幸福経営」というワードはご存知でしょうか。
社員の幸せ・幸福度によって、業績の継続的な拡大を目指す、健康経営には社員の幸福度に関する視点が重要とういう考え方です。
これは、「幸福学」の第一人者として人間の幸福について研究している、前野隆司氏(慶應義塾大学大学院教授)が提唱しています。

幸せの4因子

幸せには「長続きしない幸せ」と「長続きする幸せ」があるとのこと。
まず、長続きしない幸せとは、地位や財によるもの。
長続きする幸せとは、環境や健康、心の要因による幸せのことです。
そして、前野氏は「心の要因による幸せ」を因子分析によって整理し、4つに分類しました。

①自己実現と成長
②つながりと感謝
③前向きと楽観
④独立とマイペース

「自己実現と成長」は夢や目標を実現し成長していくこと、「つながりと感謝」は人を喜ばせることや愛情、親切な行為によるもの、「前向きと楽観」は高い自己肯定感笑顔でいること、「独立とマイペース」は他人と比較せず自分らしく取り組めることがそれぞれの幸せをもたらします。
企業においても、この4つの因子を意識して幸せな組織を構築できると良いですね。

「従業員満足度」とは違う?

「従業員満足度」という言葉がありますね。
「従業員満足度」とは、働く環境の整備状況に重点を置き、授業員の満足度を測るものです。客観的指標を基に数値化を行います。
それに対し、従業員の幸福度、「従業員幸福度」とは仕事に対してどの程度喜びややりがいを感じているのかに重点を置き、インタビューやアンケートにより従業員の満足度を測る指標になります。

今回は、「幸福経営」と「従業員幸福度」について触れました。
従業員幸福度は、先に述べた従業員の「長続きする幸福」、日常的な幸福について実態をつかむことができます。
従業員の幸福度を測り、それを尊重していくことが、企業にとってますます大切になるでしょう。

<参考>
前野隆司(慶應義塾大学院)「幸福学×経営学 社員と社会を幸せにする経営とは!?」
http://whitecompany.jp/docs/Dr.Maeno170425.pdf

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