受動喫煙対策で忘れられがちな「三次喫煙」への対策も求められる時代です

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

2020年4月1日より、受動喫煙防止における健康促進法の一部が改正されるにあたり、すでに取り組みを勧めている企業も多いのではないのでしょうか。
法律の改正については、以下の記事でまとめていますので、参考にしてください。


ところで、受動喫煙って何?と聞かれたら、皆さんは答えることができますか。
今回は見落とされがちな「三次喫煙」についてのお話です。

二次喫煙・三次喫煙について知ろう

受動喫煙には、二次喫煙と三次喫煙があることをご存知ですか?
「受動喫煙」といわれて皆さんが想像するのは、タバコを吸うことにより発生するの煙(副流煙)を吸い込むことで非喫煙者が有害物質を取り込んでしまうという状態だと思います。
これを「二次喫煙」といいます。
こうした二次喫煙を防ぐために、カフェでの分煙など、さまざまな対策が取られるようになりましたね。
では「三次喫煙」とは何でしょうか。
たとえば喫煙所から戻った人から、タバコの香りが漂ってくることはありませんか?
分煙されていないお店で、誰もタバコを吸っていないのに妙にタバコのにおいがすると感じたりしませんか?
それはサードハンド・スモーク(三次喫煙・残留副流煙)と呼ばれるもので、タバコの煙に含まれるガス状の有毒成分が、喫煙後に服や壁にしみ込んだり、呼気に含まれるため、それを吸い込んだ人が害を受けるというものです。
しみ込んだ有害物質は空気清浄機や消臭剤では消すことはできませんし、換気扇等でも防ぐことは困難です。
どんなに臭いを消したとしても、タバコの有害物質は簡単に切り離すことができないのです。

三次喫煙予防のため、喫煙後はエレベーター使用禁止

2019年4月から、奈良県生駒市は喫煙後45分間、庁舎内のエレベータの使用を禁止しました。
これは喫煙後の呼気(呼吸する際の息)のにおいなどの成分が喫煙前の濃度に戻るのに、45分程度かかったという実験結果に基づき決定されました。
また、都内のとある産婦人科病院では、駐車場を含めたすべての敷地内を電子タバコや無煙たばこであっても禁煙とするほか、喫煙後45分間は院内への立ち入り禁止、および入室時のマスク着用を義務づけています。
呼気が戻るのに45分かかるということは、たとえば1時間おきにタバコを吸った場合、一日中呼気や衣服から臭いや有害物質を周りにまき散らしてしまうことになります。
しかし、一般的な企業において、呼気が戻るまで喫煙後の45分はオフィス内に入らないようにする、などの対策は、現実的ではないでしょう。
どんなにマナーを守って喫煙を行う人であったとしても、こうした三次喫煙を完全に防ぐことは難しいものです。
そう考えると、奈良県生駒市の対策や産婦人科病院の対策というのは、かなり厳しいものであると思います。
しかし、市役所は誰でも訪れる場所ですし、だからこその対策として実施されています。
産婦人科病院にしても、妊婦さんの体調や胎児への影響を考えての対応のようです。

まずは受動喫煙について正しい知識を身に着けること

「目に見えないからないと考えるのでなく、目に見えなくても対策が必要である」と知ること。
喫煙者側にも非喫煙者側にも、もっとも重要なことだと思います。
カルフォルニア大学の研究によると、タバコの煙にさらされたコットンクロスからどの程度の影響を受けるか実験を行ったところ、三次喫煙で受けるニコチンは赤ちゃんや子どもで6.8倍、成人であれば24倍にも及ぶとされています。
さらに、そのコットンクロスに残留したニコチンが大気中の亜硝酸と反応することで発生する発がん物質、ニトロアミンの影響は、赤ちゃんや子どもが16倍、成人で56倍以上という結果があります。
また、これらは電子タバコや加熱式タバコであれば安全であるということはありません。
最も効率的な対策は、室内の完全禁煙、そして、喫煙を行った後は着替えさせ、最低でも45分は入室禁止することです。
しかし、前述のとおり、それは現実的とは言えませんよね。
まずは意識づけを行うこと。
煙を持ち込まなければ、マナーを守れば問題がないわけではないということをまずは知り、意識改革から始めてみてはいかがでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly
佐々木 泉

佐々木 泉株式会社ドクタートラスト 経営企画部 広報課

投稿者プロフィール

新卒から4年務めた先はブラック企業。女性として長く働き続けるのであれば、少しでも楽しく、生産性を持った働き方がしたい。そんな想いで転職をして早数年。日本の会社の元気を支えるこのドクタートラストで「元気に楽しく働くこと」について日々考えています。少しでも皆さんの気付きにかかわることができればと願っています。

この著者の最新の記事

関連記事

衛生管理者の必携知識

  1. 受診勧奨ってどうするの?

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る