もう一工夫!面談勧奨~高ストレス者へのアプローチ~

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2018年度も終わりに近づいてきました。
今回は、ストレスチェック業務に携わっているなかで、よく受ける質問についてお話します。

高ストレス者からの面談希望がない……他社も同じ?

企業の実施事務従事者にはおなじみの書類かもしれませんが、ストレスチェックの実施が完了したら「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」を労働基準監督署に提出する必要があります。
そして、その報告書に記載する項目のひとつに「面接指導を受けた労働者数」というものがあります。
こちらは「高ストレス者面談を実施した人数」にあたるのですが、毎年この項目に0名と記載している実施事務従事者も少なくないのではないでしょうか。

厚生労働省の発表によると、ストレスチェックを受けた労働者のうち、医師による面接指導を受けた労働者の割合はわずか0.6%に過ぎません。

これをより詳細に、事業場の規模別にみると、以下のとおりです。

50~99人の事業場:0.8%
100~299人の事業場:0.7%
300~999人の事業場:0.6%
1,000人以上の事業場:0.5%
参考:厚生労働省「ストレスチェック制度の実施状況」

事業場規模による影響はそこまでなさそうですね。
私自身、さまざまな企業のストレスチェックに携わっていますが、高ストレス者率に対して面談を申し出る方の比率は正直かなり低いなという印象を持っています。

面談希望者を増やすには

「年に一度従業員にストレスチェックを受けさせたら終わり!」になっていませんか?
面談希望者を増やすためのアプローチとしては、ストレスチェック実施後、少し期間を空けてから面談の勧奨をするということをおすすめします。

ストレスチェックの実施時期は企業によってさまざまだと思いますが、意外と「面談申出をしようとしたらすでに受付期間が終わっていた……!」ということもあるようです。
ある企業では、面談の間口を広げるため、受付期間を2段階に分けて設定しています。
この企業では、2段階目の期間の前に、メールなどで高ストレス者にアプローチすることで、面談希望者が増えたそうです。

このほか、産業医に勧奨文の内容づくりをサポートしてもらうのもいい手段かと思います。
高ストレス者への面談勧奨にあたっては、社内イントラなどを使用した社内周知、web受検であれば該当者のメールアドレス宛に個別で連絡をすることも可能です。
また、高ストレス該当者に絞って連絡をするのであれば、ストレスチェックサービスを提供している会社を利用する方法もおすすめです。

会社以外の相談窓口の活用

そうはいっても「会社や人事担当者に知られずに面談をしたい」という従業員もおられるでしょう。
その場合の選択肢として、産業医や医療スタッフなどの社内の相談窓口だけではなく、会社外で相談ができる窓口を従業員に周知しておくことも一考の余地があります。
厚生労働省 こころの耳や、一般社団法人が運営しているホットラインや、LINE・チャットを使った相談窓口など、最近は選択肢も増えてきました。

健康で元気に働くことのできる従業員を増やすためにも、もう一歩進んだアプローチをしてみてはいかがでしょうか。

<参考>
・厚生労働省「働く人の「こころの耳電話相談」」
・厚生労働省「働く人の「こころの耳メール相談」」
・一般社団法人日本産業カウンセラー協会「無料電話相談 働く人の悩みホットライン」
・厚生労働省「SNS相談(LINE・チャットで相談ができます。悩みを相談してみませんか。)」

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稲井 沙也加

稲井 沙也加株式会社ドクタートラスト 産業保健部

投稿者プロフィール

産業保健や労働安全衛生法についてわかりやすく解説してきます!

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