数字で見るコミュニケーションの実態

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こんにちは、産業カウンセラーの田野です。
さて、私は今までこちらの産業保健新聞を通じてコミュニケーションを図るうえでのコツやポイントについてお話してきましたが、皆さんは改めてコミュニケーションについてどどのように感じていますか?
……少し質問を変えてみましょう。

「皆さんはコミュニケーションが得意ですか?
また、普段お勤めの企業の中ではコミュニケーションは活発に行われていますか?」

本日は、日本企業におけるコミュニケーション問題について、数字を使ってお話してみようと思います。

企業の中でコミュニケーション能力はどの程度求められる?

日本経済団体連合会団体が2018年に公表した新卒採用に関するアンケート調査の中にある「選考にあたって特に重視したい点(20項目)」の中で最も多かったのが「コミュニケーション能力」で、なんと16年連続で1位となっています。
※ 「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」(社団法人日本経済団体連合会)より

皆さんの会社の中にもいらっしゃいませんか?
仕事の成績はいまいちだけど社内の人との付き合いが良く、コミュニケーション能力に優れているからなかなか憎めない人。
コミュニケーション能力があることでいろんな欠点がカバーされることもありますよね。

同様に、企業・団体を対象としている「ビジネス・コミュニケーション実態調査」の結果でも、社内のコミュニケーションの問題として、「対面的コミュニケーションの減少」「個人のコミュニケーションスキルの低下」が上位を占めていることが示されています。
(一般社団法人日本経営協会 ビジネス・コミュニケーション白書より)

日本人は対面的コミュニケーション能力が低下している?

これだけコミュニケーション能力はたくさんの企業から求められているにも関わらず、NHK放送研修センター日本語センターが、東証一部上場企業121社の人事担当者に行った「ビジネス・コミュニケーション」調査によると、社内のコミュニケーションに「課題がある」と考えている企業はなんと71パーセント(86社)にもなりました。
※ 「「ビジネス・コミュニケーション調査」結果」(一般財団法人NHK放送研修センター日本語センター)より

また、社内コミュニケーションを進めるうえで課題になっていることは何か、といった項目では、「個人のコミュニケーションスキルの低下」と「対面コミュニケーションの減少」が課題になっていると感じている企業が64パーセントといった結果になっていました。

なぜ、対面コミュニケーション能力の低下が進むのか

では、なぜ対面コミュニケーション能力の低下が進んでしまっているのでしょうか。
それは、SNSといったソーシャルメディアの飛躍的な普及であったり、家庭環境の変化が大きくかかわっているといえます。
特にSNS社会の構築は画面越しで、煩わしい人間関係を避けることと、親しい人間だけとのコミュニケーションの構築を可能にしています。

その結果、相手の気持ちとして表れることとなる非言語的な情報を読み取る能力の欠如、また、その逆で自分の気持ちや考えを言葉によって倫理的に表現する能力が育ちにくくなっているのだと考えられます。
その他にも、場の空気を読む力、年齢の異なる相手や親しくない相手と対話、議論する能力を養う機会が欠如されているのです。

スマートフォンの普及、一人遊びの増加、共働き家族の増加など、身近にあるさまざまな要因が、子供や若者の対面コミュニケーションの機会を減少させているのだと改めて感じさせられます。
特にSNSに依存したコミュニケーション問題は今後、より気を付けていかなくてはいけない問題だとわたしも強く感じています。

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田野 優人

田野 優人株式会社ドクタートラスト 産業保健部 産業カウンセラー

投稿者プロフィール

大学時代から産業保健に興味を持ち始め、日々勉強しております。
気になる情報を、若い世代の方にも分かりやすく丁寧に発信していきます。

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