通勤時間と睡眠時間の因果な関係

私事ですが、会社まで徒歩圏内の場所に引っ越しました。
引っ越し前は1時間30分かけて通勤していたところ、引っ越し後は徒歩10分程度となり、睡眠時間を30分以上確保できるようになりました。
今回は、睡眠時間と通勤時間の関係性を見ていきます。

1年のうち、1ヶ月は通勤に費やされていた

前述のとおり引っ越し前の私は、片道1時間30分、往復3時間かけて通勤していました。
週換算で15時間、さらに月換算では60時間、つまり1ヶ月の内2.5日分を通勤に費やしていたのです。
さらにこれを年1年で考えると、約30日間を「通勤」のために使っていたことになります。
経済学者のブルーノ・フライ博士が行った幸福度調査によると、人が1日の中で不快に感じる時間が通勤時間であるとして、「通勤時間が20分増えるのは、給料が3割カットされるのと同じ位のストレスが生じる」と述べており、通勤時間によるストレスは大きなものであることが認識できます。

通勤が睡眠を奪う

さらに、通勤時間が長い人は睡眠時間が短いということもわかっています。
総務省統計局「平成18年社会生活基本調査」をみると、男性労働者の平日の睡眠時間を片道の通勤時間別に見ると、通勤時間が長くなるにつれて睡眠時間が短くなっています。
また、平成28年の同調査では、都道府県別の平均睡眠時間と平均通勤時間がわかります。
まず、全国の平均睡眠時間(10歳以上、土日を含む週全体の平均)は7時間40分であり、1日あたりの睡眠時間が最も長いのが秋田県の8時間2分。
逆に最も短いのが神奈川県で7時間31分でした。
次に都道府県別の平均通勤時間を見てみると、全国平均が1時間19分であり、神奈川県が最長の1時間40分、宮崎県が最短の50分で50分もの差があります。
平均睡眠時間が長い青森県も平均通勤時間は57分と短いことから、平均通勤時間が長いほど平均睡眠時間が短くなる傾向にあることがわかります。

自らの意識改革を

いくら通勤時間を短くしたほうがいいことはわかっても、誰もが簡単に引っ越すことができるわけではないと思います。
通勤時間を変えることができない状況であれば、自分自身のために、少しでも長くプライベートの時間を作る、睡眠時間を確保することが大切になってきます。

そのためには、残業時間を減らすことや、通勤時間を有効活用する、出社時間を変えることで満員電車を避ける、あるいは着席可能な座席指定列車の利用を検討し、意識的に自身の幸福度を維持する努力をすることが大事になります。
さらに、通勤時間による影響を会社が理解し、サポートすることで、従業員のパフォーマンスの向上、会社の利益につながることでしょう。

<参考>
総務省統計局「社会生活基本調査結果からわかること」
総務省統計局「平成28年社会生活基本調査 47都道府県ランキング」

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