ストレスチェックの担当者が人事だったら? 結果次第で不利益になる?

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ストレスチェックが義務化されて3年目の冬がやってきました。
回数を重ねていくたびに、受検者側も実施者側も要領と理解が深まっていることでしょう。
しかし、私が外部のストレスチェック受託事業者の立場として、依然として毎年さまざまな企業の受検者様から尋ねられる質問があります。

「会社のストレスチェック担当者が人事なんですが、個人結果が会社にすべて伝わってしまうんじゃないですか?」

ご自身の結果が高ストレスであった場合、それが人事評価や人事異動に影響を与えるのではないかと、皆さん心配されているのです。
確かに、いくら個人結果は本人の同意なしに実施者(会社)へ提示されないと言われても、そもそも人事権をもつ部署の人間が担当者だと、信頼しきれない感はあると思います。

実施事務従事者の要件

厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき業者が講ずべき措置に関する指針」にはストレスチェック実施事務従事者(会社のストレスチェック担当者)の選任基準について、次のように定められています。

(1)実施事務従事者の範囲と留意事項
規則第 52 条の 10 第2項の規定に基づき、ストレスチェックを受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、ストレスチェックの実施の事務に従事してはならない。
なお、事業者が、労働者の解雇、昇進又は異動の人事を担当する職員(当該労働者の解雇、昇進又は異動に直接の権限を持つ監督的地位にある者を除く。)をストレスチェックの実施の事務に従事させる場合には、次に掲げる事項を当該職員に周知させなければならないものとする。

① ストレスチェックの実施事務従事者には法第104条の規定に基づき秘密の保持義務が課されること。

② ストレスチェックの実施の事務は実施者の指示により行うものであり、実施の事務に関与していない所属部署の上司等の指示を受けてストレスチェックの実施の事務に従事することによって知り得た労働者の秘密を漏らしたりしてはならないこと。

③ ストレスチェックの実施の事務に従事したことによって知り得た労働者の秘密を、自らの所属部署の業務等のうちストレスチェックの実施の事務とは関係しない業務に利用してはならないこと。

引用元:心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針(厚生労働省)

上記を要約すると
1.  ストレスチェックを受検する従業員に対し、人事権を有していない者であること。
(この場合の人事権とは、解雇、昇進、異動等に関して直接の権限を持つ監督的地位のある人を指します)
2. 人事担当部署の従業員が選任される場合、実施の事務に携わることで知り得た従業員様の秘密を他者(所属部署の上長を含む)に漏らさないなど、個人情報の厳格な管理が必要であること。
が定められているということです。

通常、人事担当者は人事権をもつと想定されますので、実施事務従事者に選任することは避けられるべきでしょう。
しかし、人事担当者であっても、直接人事権を持たない者かつ、ストレスチェックで知り得た情報を決して漏らさないという前提で、選任されているケースは少なくありません。

不利益な取扱いの禁止

さらに同指針では、
・ストレスチェックを受けないこと
・個人結果を会社へ提供することに同意しないこと
・面接指導の申し出を行わないこと
による従業員への不利益な取扱いを禁止しています。

もちろん高ストレスであるという結果自体や、面接指導の内容を受けての不利益処遇も同様です。
また、ストレスチェックの結果は個人情報の中でも機微な個人情報といわれ、最も慎重に扱うべきものです。
個人の同意なしに、第三者へ提示することは個人情報保護法でも禁止されています。

ストレスチェックは受検者本人のため

以上のことから、会社のストレスチェック担当者が人事部員であっても、その人に人事権はなく、受検者本人の同意なしでは会社に結果は提示されない。受検者のプライバシー、安全は法律によりきちんと守られているといえるでしょう。
そもそもストレスチェックの一番の目的は、ご自身の現在心身の状態に気づき、セルフケアに役立てるものです。
会社で言われたから、ではなく、あなた自身のために、この機会を活かし前向きに受検してみてください。

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池田 三菜子

池田 三菜子株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

総務・経理を経て、現在は営業事務にて幅広く社員をサポート。20代は好き勝手生きてきましたが、一児の母となった今、時間の大切さを痛感中。
「効率化」「時短」「思いやり」を胸に、共感をいただけるお役立ち記事を発信していきたいと思っています。

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