ワールドカップで選手のパフォーマンスを引き出した鍵

雑誌「PRESIDENT」2018年9月17日号の記事で、「どのようにして、個人のパフォーマンスをひきだしたのか」という質問に、サッカー日本代表前監督の西野朗氏がこう答えていました。

シンプルにコミュニケーションを増やした。
選手からの主張を聞く。
スタッフと選手を集めた全体ミーティングでも、一対一でもよく話をするようにしていた。
「お前はどう思う?」と場面ごとにすべての選手に発言させた。
発言することで、各選手が何を考えているのかわかるし、発言したことでプレーへの責任が生まれる。
風通しを良くして、お互いの主張も聞き入れ、要求もしていくという雰囲気を作るようにしていった。

今回はワールドカップで選手のパフォーマンスを引き出した方法から、社内での「心理的安全性」について学んでいきたいと思います。

心理的安全性という言葉をご存知でしょうか

Google社から発表された「心理的安全性の確保」は、生産性を向上させる方法の一つとして注目を集めています。
心理的安全性とは、チームに所属するすべてのメンバーが、他者の反応に怯えたり、羞恥心を感じることなく、リラックスした状態で組織の活動に参加できる状態を指します。
心理的安全性が保たれている職場、すなわち心理的安全性が高い職場は、チームのメンバーが均等かつ積極的に発言している状態を指し、お互いに信頼できている、相互に助け合うことが出来るチームであるといえます。

まさに、日本代表のチームのなかで実践されていたことではないでしょうか。

心理的安全性の高い職場にもたらされるメリット

風通しがよくなるということは、新しい意見やアイデアが活発に飛び交うようになり、結果、生産性の向上が期待されます。
また、意見を発信することができると実感できることで、仕事に対する裁量権を感じることにつながります。
さらに、西野前監督がおっしゃっていたように、「自分自身の発言に対する責任感を持ってプレーする」という変化も生まれます。
発言に責任を持つということは、業務対する姿勢も一層真摯なものへ変化していくということも期待できますね。

普段から信頼関係が構築されていると、チーム一丸となって業務をこなす協力体制が強固となり、特定の人だけがオーバーワークとなる事態も予防できます。
そして、一人で悩んだり、抱え込むことも減るため、生産性や成績の向上だけでなく、メンタルヘルス予防にも大きな効果があると考えられます。

心理的安全性を阻害する4つの要因

「お互いの主張を聞き入れ、風通しを良くする。全員がまんべんなく意見を提示する」

たったそれだけで、心理的安全性は高まると言われると、すごく簡単なように聞こえます。
しかし、実際にこれを実現することはなかなか難しいことです。
心理的安全性を阻害する要因は4つあるといわれています。

1. 無知ではないか
2. 無能と思われないか
3. 邪魔していないか
4. ネガティブな感情を知られたくない

「上司の顔色をうかがう」「空気を読んだ行動をする」といった風潮が心理的安全性を高めることを阻害しているのです。

4つの不安を払拭しよう

ではどのように心理的安全性を高めていけばよいのか。
西野前監督もしていたように「どうおもう?」とまずは疑問を投げかけましょう。
そして意見が出た場合、まずは相手の考えを否定しないように心がけることがポイントです。
一意見として、まずは一人ひとりの考えていることを集め、集まった意見を束ねていくように意識しましょう。

自分の意見がたとえ通らなかったとしても、他のメンバーが何を考えているのかを理解するだけで、メンバー一人ひとりにとって、大きなメリットになるのではないでしょうか。
上司からまずは投げかけてみる、部下は上司からの問いかけにできるだけ自己開示をしていく勇気を持つことで、心理的安全性は高まり、個人の持つスキルを最大限に発揮できるチームへと昇華していくのではないでしょうか。

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