持ち帰り残業は“リスク”でしかない

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“働き方改革”の一環で「残業」が問題視されているなか、新たに「持ち帰り残業」が問題になっているのをご存知でしょうか。
これまでと同じ業務内容・メンバー・マネジメント体制、働き方の本質が全く変わっていないにもかかわらず、残業時間だけを規制したことで、業務時間内に仕事が終わるわけもなく、やむを得ず“会社の外”で仕事をする人が増えているのです。

このような“持ち帰り残業”が横行することで、会社にとって、本人にとって、どのような問題が起こるのか見ていきましょう。

上司の指示?  それとも……

パソコンの使用が当たり前となった今、管理者の知り得ないところで仕事が行われやすい環境にあるといえます。
原則的に社員が自分の判断で家に持ち帰った仕事は、その時間は法律上労働時間とは言えないため、残業代を支払う必要はありません。
しかし、どう考えても所定労働時間内に終わらないような業務量を与えているにもかかわらず、残業を禁止していたり、仕事を家に持ち帰っていることをわかっていながらも「勝手に持ち帰ってやっているだけ」と黙認していることはないでしょうか。
これらは、黙示の業務命令であり、明確に「時間内に終わらないのであれば、家に持ち帰ってやれ」と指示していなくても労働時間となり、当然ながら残業代を支払う必要があります。

また、持ち帰りであるか否かにかかわらず、残業が増えることで必然的に長時間労働が問題となり、過度のストレスからうつ病等のさまざまな病気を増加させてしまうこともあるでしょう。

さらには、会社を離れて別の場所で仕事をするとなれば、会社の情報を外に持ち出すことの「リスク」にも目を向けなければなりません。
機密情報が記載された書類、個人情報が入ったUSB・パソコン等を社員が紛失したとなれば、どうなるでしょう……。

管理職の長時間労働

労働基準法上に定められた「管理監督者」は、労働時間・休日・休憩時間について労働基準法上の規定が適用されません。
その結果、管理職が仕事が終わらず残業のできない部下の仕事を引き受け、長時間労働となっている実態も増えていると言われています。

管理監督者の場合、「自宅のほうが仕事がはかどる」や「自分が納得する成果を出したい」という理由で仕事を持ち帰るケースも多いようですが、やはり前項で記したように過度のストレスによる病気の誘発や情報の流失など、管理監督者であっても社外で仕事をする「リスク」は伴うのです。

まとめ

労使双方にとってあらゆる危険を伴う「持ち帰り残業」は、減らしていくべきです。
そのためには、まず、持ち帰り残業の実態を把握することから始めましょう。
次に、業務分担の見直し、人員の配置、業務の効率化を検討する等、そもそも“残業をしないようにする”ためにできることを考えるとよいでしょう。
それでも残業をせざる負えない場合のルール作り等、会社にとっても、従業員にとっても“リスク”を追わない環境を作ることが大切ではないでしょうか。

小橋 凛

小橋 凛

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