外国人技能実習生、適切な雇用をしていますか

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平成30年6月20日、厚生労働省が、外国人実習生を雇用している実習実施者に対して監督指導を行った旨を発表しました。
発表によると、監督指導を行った実習実施者のうち、労働基準関係法令違反が認められたのは70%にも及びます。

皆様の企業は外国人技能実習生を違法で働かせてはいませんか?

外国人技能実習制度とは

外国人技能実習制度は、海外の法人などの社員教育として行われていた研修をもとに、1993年に制度化されたものです。
日本で発達した技術や知識を発展途上国等に広めることを通して、経済発展を担う人材育成に協力することを目指しています。
技能実習制度は、期間は最長5年とされ、技能等の修得は、技能実習計画に基づいて行われます。
一号、二号、三号の段階わけがなされており、第一号では技能等を習得、第二号では技能等に習熟、第三号では技能等に熟達とそれぞれの目的が定められています。
また上の段階に上がるためには、実技や学科の試験をパスしなくてはなりません。
平成29年度末の技能実習生274,233人のうち、技能実習二号へと移行したのは86,583人となっております。
この制度には、外国人実習生を労働力にあててはならないという基本理念があります。
しかし労働基準法を守らずに、違法に働かせ安価な労働力としている実施者がいるのが現状です。

違反件数

厚生労働省は国人実習生を雇用している企業等の実習実施者に対して、監督指導を行った結果を発表しました。
上記でも述べたとおり、外国人技能実習制度は、外国人が企業などでの実習を通して技術を身につけ、経済発展を担う人材となるよう育成することを目的としています。
しかし、現状としては長時間の残業や時間外賃金の未払い、安全衛生上の問題がある職場環境など、労働基準法等の関係法令が守られていない実情があります。

平成29年の監督指導・送検の概要

以下は、厚生労働省から発表された「平成29年の監督指導・送検の概要」です。

■ 労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した5,966事業場(実習実施者)のうち4,226事業場(70.8%)。
■ 主な違反事項は、(1)労働時間(26.2%)、(2)使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準(19.7%)、(3)割増賃金の支払(15.8%)の順に多かった。
■ 重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは34件。

<引用>「外国人技能実習生の実習実施者に対する平成29年の監督指導、送検等の状況を公表します」(厚生労働省)

「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」の制定

国は技能実習制度の適正化、拡充を図るべく、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(以下、「技能実習法」)を制定しました。
技能実習法は平成29年11月1日より施行されています。
以下では、技能実習法施行前後の違いを見ていきましょう

旧制度概要

技能実習法施行以前、外国人技能実習者は「出入国管理及び難民認定法」にて定めが置かれていました。
多くの規定は、技能実習法に引き継がれることとなりましたが、従前は下記のような問題点がありました。

① 政府(当局)間の取決めがない。保証金を徴収している等の不適正な送出し機関の存在
② 監理団体や実習実施者の義務・責任が不明確であり、実習体制が不十分
③ 民間機関である(公財)国際研修協力機構が法的権限がないまま巡回指導
④ 実習生の保護体制が不十分
⑤ 業所管省庁等の指導監督や連携体制が不十分

<引用>「新たな外国人技能実習制度について」(法務省入国管理局、厚生労働省人材開発統括官(PDF))

新制度概要

新たに制定された技能実習法においては、上記の問題点は下記のように改善されることとなりました。

① 実習生の送出しを希望する国との間で政府(当局)間取決めを順次作成することを通じ、相手国政府(当局)と協力して不適正な送出し機関の排除を目指す。
② 監理団体については許可制、実習実施者については届出制とし、技能実習計画は個々に認定制とする。
③ 新たな外国人技能実習機構(認可法人)を創設し、監理団体等に報告を求め、実地に検査する等の業務を実施。
④ 通報・申告窓口を整備。人権侵害行為等に対する罰則等を整備。実習先変更支援を充実。
⑤ 業所管省庁、都道府県等に対し,各種業法等に基づく協力要請等を実施。これらの関係行政機関から成る「地域協議会」を設置し、指導監督・連携体制を構築。

<引用>「新たな外国人技能実習制度について」(法務省入国管理局、厚生労働省人材開発統括官(PDF))

認可や受け入れにあたって、実習生に説明や合意を新たに求めなくてはならない項目などが増えました。
しかし優良な実施者や管理団体と認定されれば、人数の枠などもかなり増えるなど、利点もあります。

さいごに

厚生労働省では、より外国人技能実習生を保護することを方針としています。
今まで外国人技能実習生を受け入れていた企業さまも、受け入れを検討している企業様も、あらためて制度をご確認いただければと思います。

<参考>
・ 「外国人技能実習制度について」(厚生労働省)
・ 「外国人技能実習生の実習実施者に対する平成29年の監督指導、送検等の状況を公表します」(厚生労働省)

馬場 智

馬場 智株式会社ドクタートラスト

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