人事部門なら知っておきたい 「不作為の責任」とは?

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ストレスチェック制度が浸透し、担当者の皆様も日々ストレスチェック実施について試行錯誤していることと思います。
本日は、弊社ストレスチェック実施サービスにおいて、日々数多くの官公庁や企業のサポートにあたっている者として気づいたことを皆様にお伝えしてまいります。

ストレスチェック個人結果を会社は知るべきか?

50人以上の労働者が在籍する事業者は、労働者にストレスチェックを実施する義務がありますが、個人情報保護の観点から、個々人の結果を見ることは禁止されています。
ただし、労働者が許可するのであれば話は別です。
労働者が結果の提供に同意した場合に限り、事業者は結果を知ることができるのです。

弊社も、契約先から、「個人結果を保管したいので、受検者から同意を取ってください」と依頼されることがあります。
その場合、弊社からのアドバイスとして、「やめたほうがいいと思います」とお伝えしています。
理由をひとことでいうならば、「不作為の責任」です。
「不作為の責任」とは何か、それを説明していきましょう。

もし高ストレス者が不幸に見舞われたら……?

Aさんのストレスチェックの個人結果をAさんの勤務先であるB社が入手した、と仮定します。
個人結果には、Aさんの高ストレス状態が明示されていました。
そのAさんが突然、勤務中に自殺してしまいました。
B社は当然、管理責任を問われます。
訴訟になった場合、B社がAさんのストレスチェック結果を事前に知っていたという事実は、B社に有利になるか、不利になるか、どちらだと思いますか?

事実を知りながら放置することの責任

答えは、「不利になる」のです。
これを「不作為の責任」といいます。
「不作為」とは、「あえて積極的な行為をしない」という意味の法律用語です。
本件でいえば、「Aさんがメンタル不調である事実を知りながら放置している間に事故が発生した」ことに対して、B社側の責任が強く問われるということです。

いかがでしょうか?
このように労働者の個人情報を知ることは、良かれと思ってした行為だとしても、事業者にとっては大きなリスクとなり得るのです。

ストレスチェックにおいて、事業者が個人結果を知るべきではないという理由のひとつは上記です。
もうひとつは、そもそも本制度の目的は、事業者が労働者のストレス状態を知ることではなく、労働者が自身のそれを知るためであるからです。
事業者のストレスチェック担当者の方々は、本制度の目的を十分理解したうえで、ストレスチェックを有意義に実施していただくようお願いいたします。

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