新入社員の健康管理からはじめる健康経営

4月も半ばが過ぎ、新入社員の方たちも徐々に社会人としての意識が芽生えてきている時期でしょうか。
新人として働く間に健康への意識づけを行うことは、その後の充実した社会人生活を続けるために重要なポイントであり、健康経営においても大きな役割を担うこととなります。
今日はそんな新入社員に対する健康管理について考えてみたいと思います。

健康と生産性について

新入社員に対する健康管理について考える前に、プレゼンティーイズムという言葉をご存知でしょうか?

これは、出社はしているが何らかの心身の不調により生産性が低下しており、本来のパフォーマンスを発揮できない状態にあることをいいます。
反対に、病気や体調不良で会社を度々休むことをアブセンティーイズムといい、どちらも企業の生産性を低下させる要因と考えられています。

また、企業の損失を考えた際にはプレゼンティーイズムの割合が大きく、近年、健康経営を考えるうえで非常に多くの関心が集まっていて企業の取組みも加速しています。

このプレゼンティーイズムを発生させないためにも、一人ひとりが健康に関する意識を強く持つことが、これから先の重要なポイントとなっております。

新入社員に対する健康教育

新入社員は、学生時代から環境が大きく変化し、初めての社会人生活を送るうえでとても大きいストレス負荷がかかっていることが容易に考えられます。
まずは自己の健康管理を考えてもらうきっかけとして、以下について働きかけを行いましょう。

① 健康診断の事後措置

若い新入社員については、健診結果自体で悪い数値は出ないことでしょう。
ただ、悪い結果が出ないからと健康診断を受けただけで終わらせていると、いつか数値が悪くなっても「自分は病気じゃないから大丈夫」と考えてしまいがちです。

健康診断結果の見方は経年の変化が肝。
まずは健診結果の見方や、社会人生活で気を付けるべきポイントについて、講習を開くこともおすすめです。
また、健康診断で引っかかった人がいた場合は、健診担当者が二次健診の追いかけまでしっかりやり、「再検査が出たら病院を受診する」という習慣づけができるようにしましょう。

② セルフケア

学生と社会人の大きな違いは、自分のやることに責任が生じることではないでしょうか。
もちろん、入社したてから大きな仕事を任されて一人で責任を負うことはないかと思いますが、感じる責任の大きさというのは人それぞれ。

メンタルヘルスやストレスについてしっかりとセルフケアの仕方を学んでおくことで、この先何かあったときの対処が取りやすくなるでしょう。

③業務に応じた安全衛生教育

労働安全衛生法では、雇入れ時や作業内容が変更されたときに当該労働者に対して遅滞なく必要な教育を為さなければならないとしています。
新入社員に対して、ヒヤリハットの事例や危険マップの周知をすることで安全衛生教育を行い、危険を予測した状態で業務に当たるよう適切な指導を行うことが必要です。

新入社員時代から意識付けを

新入社員の時期に健康管理の重要性を学んでもらうことで、将来管理職となった際に、部下の健康を気遣える上司となることができるでしょう。

これまで、どんなに辛くても会社に来て仕事をすることが美徳とされてきた日本社会ですが、今後はモーレツ社員だけでは会社をうまく立ち回らせることは難しくなり、こういった健康に対して良い影響を及ぼせる管理職もいることが健康経営の手助けとなるはずです。

平成26年4月に入社した大卒新入社員の離職率を見てみると、32.2%と依然高い数字が出ています。
健康に気を遣ってくれる会社と、遣ってくれない会社、どちらの方がより長く働きたいと思うでしょうか?

働き方改革が強く叫ばれる時代、まずは社員が気持ちよく働ける環境を整えることが先決なのかもしれません。
健康経営に向けた第一歩として、まずは新入社員の健康管理に注力してはどうでしょうか。

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