疲れに潜む甲状腺の病気

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女性に多い甲状腺の病気

疲労や倦怠感、やる気の低下などは誰しもが経験することで、毎日同じように元気でやる気を持って過ごせる人はいないといっても過言ではありません。
特に女性は月経周期の問題や更年期、閉経など男性と比べて体調や気持ちの変化を起こしやすい状況にあります。

しかし、ただの疲れや過労だと思っていると、実は甲状腺の病気だということがあります。
甲状腺の病気は性別によってなりやすさが違い、圧倒的に女性に多い病気です。
ちょうど働く世代の女性で体調の変化を感じたとき、甲状腺の病気が隠れていることがあるのです。

亢進症と低下症?

甲状腺の病気でよくみられるのが、①甲状腺機能亢進症②甲状腺機能低下症です。
甲状腺機能亢進症は別の呼び方でバセドウ病、甲状腺機能低下症を橋本病ともいい、こちらの名前のほうがよく耳にするでしょう。
甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる病気、甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌が不足してしまう病気なので、症状としては反対のことが起こりますが、どちらも「自己免疫性疾患」といって原因は同じなのです。

たとえば風邪を引いたら風邪のウイルスをやっつけようとして体の免疫機構がはたらき、熱が出たり体のだるさが起こったりするのが通常です。
「自己免疫性疾患」というのは自分自身の正常な細胞に対して体が反応を起こしてしまい、自分の体を自分の免疫で攻撃してしまうという特殊な病気なのです。
つまり、自分の甲状腺の細胞を自分の免疫で攻撃して炎症を起こし、甲状腺のはたらきに異常をきたしたのがバセドウ病や橋本病です。

甲状腺の腫れに要注意!

原因は同じ自己免疫なのですが、バセドウ病と橋本病では症状が異なります。

バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に出てしまうため、常に体が全力を出しているような状態になります。
具体的には動悸(脈が速くなる)や息切れ、眼球突出(目が飛び出たような状態)、手の震え、発汗、イライラ、体重減少などがよくみられる症状です。

一方、橋本病では体に必要な甲状腺ホルモンが減ってしまうため極端に代謝の悪い状態となり、体重増加、うつ傾向、倦怠感、脈拍の低下、抜け毛、便秘などの症状がみられます。

体に必要なホルモンが多すぎるのか、少なすぎるのかの違いなのでおおむね逆の症状を示すことが多いのですが、どちらとも甲状腺に炎症を起こす病気なので「甲状腺の腫れ」は共通して起こる症状です。
甲状腺は喉仏のあたりにちょうど蝶が羽を広げたようにある臓器なので、喉仏の両脇の腫れもチェックポイントのひとつです。

更年期障害と間違えることも……

甲状腺の病気は上記の2つ以外に甲状腺腫瘍などもありますが、皆さんが想像しているよりもずっと身近にある病気です。
前述のとおり、男性と比べて女性に何倍も多い病気なので、特に女性は注意が必要です。
更年期障害と症状が重なる部分があるため「更年期だから」と様子をみていると、実は甲状腺の病気だったということがあるのです。

治療としては、バセドウ病では甲状腺機能を抑える投薬治療、橋本病では足りないホルモンを補充する投薬治療がメインとなりますが、適切な治療を受けてコントロールできていれば決して怖い病気ではありません。
最近なんだか調子が悪いな、疲れるな、という方は首回りが腫れていないかな?と注意してみてください。
甲状腺の異常は血液検査や超音波の検査で知ることができます。
何かおかしいと感じたら一度検査を受けてみることをおすすめします。

田中 祥子

田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験を様々なかたちで皆様にお届けしたいと思っています。

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