連載第3回 福島先生の相談室~困った事例をひもとく~

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はじめに
今回は、読者の方からいただいたご相談をひもといてみます。
ご質問頂いた事例ですので、実際にそうかはわかりませんが、考えられる「課題」を挙げてみます。
この「課題」を見極めることが何よりも重要です。

 

Q【お悩み1】

新入社員のEさん(20代女性)は上司への態度や言葉遣いがあまりよくありません。
また、自分がやりたくない仕事をわりあてられとき、それが表情に露骨に出てしまい、職場の雰囲気が悪くなります。
どう指導したらよいでしょうか。

A【どうやって改善?】

このメールの文章からEさんについて考えられる「課題」は以下のようなことです。

・ 言葉遣いや態度などといった「社会常識」を知らない
・ 新入社員が何を期待されているか知らない
・ 好きな仕事だけやれると思っている
・ 感情をコントロールできない
・ 感情が顔に出ていると気づいていない
・ 上司が怖い
・ 体調が悪い

Eさんの課題はどれにあたるのか、他にもないか、本人と一度話をしてみてはいかがでしょうか?

Q【お悩み2】

Fさん(30代男性)は、頼まれた仕事について「●月●日までにやります」と答えてくれるのに、実際はいつまでもやりませんし、途中経過も報告してくれません。
どうしたらよいでしょうか。

A【どうやって改善?】

このメールの文章からFさんについて考えられる「課題」は以下のようなことです。
Fさんの場合、もしかしたら「自分ではできているつもり」でいるのかもしれません。
また、わからないことがあるにも関わらず、相談ができないのかもしれません。
もしかしたら、他にイヤなことや悩みがある可能性もありますね。
Eさん同様、実際に話を聞いてみる必要があります。

まとめ~改善の秘密~

改善させる秘密、それは指導方法や対応方法に先立ち「課題を明らかにすること」です。
課題が明らかにならない限り、永遠に的外れの対応を繰り返すことになります。
これまでご紹介した事例におけるそれぞれの課題を振り返ると、遅刻常習犯のAさんは「社会常識を知らない」、居眠りばかりのBさんは「生活習慣の無知」、自己都合で休む一方、会社が自分を認めてくれないと休職したCさんは「心理的未成長」、会議で寝落ちのDさんは「病気」でした。
彼らにかけた一言は、まさにその課題にピンポイント対応であり、それゆえ事態が改善したのです。
ただ、本人たちは目線が低く、自力で自分の課題に気づくことはなかなかできません。
課題が明らかになるよう指導者側が導くしかありません。
たくさんあって、指導者ですら途方に暮れそうですが、実はそうでもありません。
個々人における課題というのは、たとえ多くても3つ程度に過ぎないからです。

おわりに
皆さんの参考になったでしょうか。
事例を実際にひもとき、課題を明らかにしていく過程を体験してみませんか。

 

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福島 満美

福島 満美産業医・精神科医

投稿者プロフィール

上智大学文学部心理学科、産業医科大学医学部卒業。
精神科病院や複数の企業で、精神科医、常勤・嘱託産業医として勤務し、メンタルヘルス不調の休職・復職に数多く携わる。
復職支援プログラム立上げとマネジメントを行う。
産業医としてのキャリアは20年超。
精神保健指定医。

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