寒い冬の皮膚トラブル「しもやけ」

寒い日が続いていますね。
12月に気象庁より、日本が寒くなりやすくなる「ラニーニャ現象」が発生し、春まで続く可能性が60%程度であると報告されていることから、寒さの厳しい日がおそらく今後も続くことが予想されます。
そんな寒い冬の代表的な皮膚トラブルの一つに「しもやけ」があります。
おそらく1回は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この「しもやけ」、かゆみが仕事の集中などを邪魔したり、ひどくなるとただれてしまったり、靴を履いただけでも痛みを感じたりと厄介です。
また、一度なってしまうと温かい時期が来るまでなかなか治らないという悩みをお持ちの方も多いトラブルです。

しもやけについて知ろう

しもやけは、寒さに伴い手足や鼻、耳などの体の末梢が赤く腫れ、その炎症部分のむずがゆさ、軽い痛みから始まるトラブルです。
また、ひどくなると皮膚がただれてしまったり、潰瘍ができてしまうこともあります。

しもやけかどうかは
• 手や足が全体に赤く腫れているか
• 手足の指、手のひら、足の裏(ふち)に赤い発疹があるか
• 暖かいときはかゆくなり、寒いときは痛むか
• 手足の指が赤黒く変色しているか
• 靴をはいたり、歩くときに痛みを感じるか
というところから判断できます。

なぜ、体の末梢にしもやけが起こるかというと、これはしもやけが起こる原因に関係しています。
しもやけは血流のトラブルが原因で起こる病気です。
もともと身体の末梢部分は、血行のコントロールがしにくい部分となっているのですが、さらにそこへ「寒さ」と「暖かさ」の刺激が繰り返されることで、血管の収縮や拡張が繰り返され血管がうまく拡張及び収縮が出来なくなってしまうことから「しもやけ」となってしまうのです。

しもやけの予防方法

〇 しっかりと防寒を
最近は、暖房がよく効いている環境が多いことから、屋内の気温に合わせて屋外でも薄着の人が多くなってきています。
しかし、しもやけには寒さは大敵。
肌の露出は控え、しもやけになりやすい耳や手足の防寒はもちろんのこと、マフラーや腹巻などで身体を冷えから守りましょう。

〇 血流をよくしましょう
細いパンツや華奢なパンプス、足全体にぴったりとフィットするブーツはおしゃれですが、血流を悪くしてしまう原因に。
また、男性の場合では、幅の狭いビジネスシューズが血流を悪くしてしまいます。
見た目ももちろん大切ですが、しもやけにならないためにもいつもそのような靴を選ぶのではなく、できるだけ幅が広いなどゆったりとした靴を選ぶようにしましょう。
また、お風呂も血流をよくする効果が大きいです。
しっかりと入浴するようにしましょう。
しもやけのできやすい手足を冷水、温水に交互に浸すこともしもやけ予防には効果的です。

〇 濡れたままにしない
濡れたままの手・足は、水分が蒸発するときに体温も奪い冷えてしまうためしもやけの原因となります。
炊事・洗濯・入浴など水を使用する際や足の蒸れ、運動などで汗をかいた際には肌の水分をふき取る・濡れた衣服は着替えるようにしましょう。
足の蒸れには5本指の靴下も効果的です。

〇 ビタミンEを摂取する。
ビタミンEを含む食材には血行を改善する効果があるため、しもやけの予防に効果的です。
ビタミンEを多く含む食品には、ナッツ類・豆類・植物油があります。
ビタミンEを摂取する際には、ビタミンEの吸収を良くしてくれるビタミンCやβカロテンを一緒に摂取することをお勧めします。

しもやけの改善法

予防をしても、しもやけになってしまった場合、むず痒かったり、痛かったりと仕事など日常生活に支障をきたしてしまうこともあるため、できるだけ早く治したいですよね。
では、そのためにできることはあるのでしょうか。

〇 しもやけ予を続けよう
しもやけを直すため、また、しもやけを増やさないためには、血流をよくすることが一番です。
そのため、血流改善効果のあるしもやけの予防を引き続き行いましょう。

〇 軟膏・湿布薬の使用
ビタミンEは血行改善・ステロイドは、皮膚の赤み・かゆみなどの炎症など、しもやけの治療に薬品の力を借りるのも効果的です。
湿布は肩こりや腰痛に使用するイメージが強いかと思いますが、肩こりや腰痛の原因の一つが血行不良ということから、
湿布には血行改善の効果があります。そのため、効能にしもやけと記載のあるものはしもやけの治療にも効果的です。
購入の際には、商品の効能を読んだり、薬剤師の話を聞くなどし、しもやけに効果のあるものを選びましょう。

〇 ひどい場合は皮膚科受診を
症状が日常生活に支障をきたす場合や、水疱になったり破れたりした場合は皮膚科を受診しましょう。

しもやけは、老若男女・地域に関わらず、誰でもなり得るトラブルです。
これからも寒い時期が続きますので、予防に努めていきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

吉尾 清乃株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学在学中に働く世代の方々の健康の大切さに興味を持ち、保健師になって約10年。今までいろいろな現場にてメンタル身体問わず健康の大切さをお伝えさせていただいてきました。働き盛りの忙しい時期にご自身の健康にいかに気を気を使えるか、これがこれからの人生100年時代をイキイキと生き抜けるかどうかに非常にかかっています。そのお役に立てるよう忙しい中でも読んでよかったと思える情報をお伝えしていきます。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士、健康運動指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

この著者の最新の記事

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】「コロナかも」従業員が激増!会社はどう対応する?~コロナが疑われる従業員、休ませた場合の手当は会社が支払うべき?~

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る