SNSから見えるもの

クリスマスに年末のカウントダウン、お正月。
これから続くのは節分、バレンタイン。
SNSを通じて、これらイベント日の友人・知人の過ごし方を目にする機会がある人も多いのではないでしょうか。

情報社会である現代は、LINE、Instagram、Twitter、Facebookなど、より広範囲の人と気軽に繋がるツールに溢れています。
そして、投稿した人が求めているものは、他者からの「承認」と「称賛」。
不特定多数の人から、「いいね!」がほしい理由について考えてみましょう。

自信がないから「いいね!」を求める

「人から認められたい」という欲求は、誰しもが持つごく自然な欲求の1つといえます。

SNSで見かけるのは日常の記録(ブログ)のようなものもあれば、「インスタ映え」に特化した「写真」もあります。
実はこの「インスタ映え」に特化している人が要注意!
これは「充実した生活を送っている(またはそう思われるための)自分像」を作り出し、反応の数で「自分は注目されている」「特別な存在だ」と確認し、「“いいね”をもらえている自分に安堵する」いう状態です。
承認欲求が強すぎる人は、自己評価を「他者からの承認」に委ねているため、「他者からの承認によってしか、自分の存在意義が確認できない」ともいえます。
そのため「いいね」が貰える写真を求め、「いいね」の数で自分を武装しているともいえるでしょう。

本人はその自覚はないかもしれませんが、過度な欲求は「かまってちゃん」というレッテルを貼られてしまうかもしれません。

人間の持つ欲求

アメリカの心理学者アブラハム・マズローの5段階欲求によると人間の欲求は5段階に分かれており、下層から順に以下のようになっています。

① 生理的欲求:食べること、眠ることなど、生きるために必要な本能的な欲求

② 安全の欲求:衣食住が満たされ、安全で経済的に安定した環境を求めること

③ 社会的欲求:自分がどこかに所属することで、その中で果たせる役割。親和欲求

④ 尊厳の欲求:注目を浴びたい。尊重されたい。承認欲求。他人からの評価よりも自分自身の評価を尊重

⑤ 自己実現:自身の持つ力やその可能性を発揮し、理想の実現に向けて努力し、成し遂げる

人間の欲求はピラミッドのように構成され、下層の欲求が満たされると、次の階層の欲求を求めるとされています。

4つ目の「尊厳の欲求」は、自分を存在価値のある人だと認めてもらいたいという「承認欲求」とされていますが、「承認欲求が強い=心が満たされていない」ともいわれています。
自分の基盤となる所属するグループへや、身近な人間関係の構築がうまくいかない、希薄な人間関係しか結べないなど、3つ目の「社会的欲求」が実生活で満たされていない人と考えられています。

これは自分の足元が不安定な状態で、高次の尊厳への欲求を求めることにより、人との関係性などのバランスが崩れているといえるでしょう。

背伸びは禁物

他者からの承認というのは、自分から周囲に求めるものではなく、日頃の言動や実績から周囲からの信頼を得ることにより、本来は自然と周囲が評価をするものです。
人は誰しも「己にとって特別な存在」です。
良いところも悪いところも含めて自分を大切に出来るのは自分しかいません。

「いいね!」の数に一喜一憂するのではなく、現実を素直にみつめ、等身大の自分を見つめ直す機会が必要といえるでしょう。

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