〇〇があると、生産性が上がる!

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残業禁止時代ともいえる昨今。
業務量は減少していないのにもかかわらず、残業時間の削減を求められている人も多いことと思います。
業務時間内に業務を終わらせるため、増えていくマルチタスクを個々人で処理しながら、チーム単位で成果を出すのはなかなか難しいことです。
そうした背景を受けて興味深い調査を行っている会社がありました。
今回はそうした調査についてのお話です。

◆プロジェクトアリストテレスをご存知ですか?

Google社が実施した「プロジェクトアリストテレス」をご存知でしょうか。
2012年から実に4年もの歳月と何百万ドルともいわれるコストをかけて、『社員の生産性を最大限に引き出すにはどうしたらよいのか』、ひいては『成功するチームが共通して持つ要素とは何か』を明らかにするために結成されたのが、通称プロジェクトアリストテレス(Project Aristotle)です。

同社では個人が複数のチームに所属するのがスタンダードですが、メンバーの大半が重複するチーム同士であっても、なぜか生産性の高いチームとそうでないチームに分かれていることに気がつきました。
さらに、プライベートでも親しく付き合いのある人々のチームと、仕事と割り切った事務的な関係性を持つ人々のチームを比較しても、生産性における差はみられないことにも気がつきました。
そこで、生産性を左右すると思われるあらゆる可能性について検証を行った結果、導き出されたのが『心理的安全性』という要素でした。

◆「心理的安全性(psychological safety)」とは

心理的安全性とは、お互いへの共感や配慮が自然に行われている状態を指します。
たとえば、チームのなかでよく発言する人とまったくしない人の差が激しい場合などは結果的に生産性が低く、発言量が均等であるチームほど成功する傾向があったといいます。
こんなことを言えば上司に怒られるのではないか、同僚に見下されるのではないかといった恐れを抱くことなく、何を言っても許容されるという安心感をもって仕事に臨むことが、成功につながると調査で明らかになったのです。

◆職場のストレス要因の1位…人間関係

平成24年に厚生労働省が実施した「労働者健康状況調査」によると、職場での強い不安、悩み、ストレスの原因は、職場の人間関係の問題(41.3%)、仕事の質の問題(33.1%)、仕事の量の問題(30.3%)(※3つまでの複数回答)となっており、上司や同僚との関係性の部分が心理的に大きな影響力を持っていることが読み取れます。

あまりにも職場でのストレスが総合的に大きい場合、休職、ひいては退職せざるを得ないケースがありますが、内閣府の調査によれば、社員1人が半年間休職し更に前後3か月は周囲がサポートすることを想定した場合、フォローを行う同僚社員の残業代や補充人員の教育費、上司が休職・復職時に行う面談等への人件費等で、422万円ものコストがかかるという試算を出しています。
また、「2015年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によれば、新卒内定者1人あたりの採用費は45.5万円とも言われるため、離職率の高い職場である場合は採用コスト・育成コストも看過できません。
採用した社員が健康に、長く働くことがコスト削減の為には重要な要素といえるでしょう。

職場に於いて人間関係がストレスの元となるのか、もしくは自分らしさや人間らしさを許容できる雰囲気の中でチームプレイをするのかで、企業の生産性に大きく影響してくる事が考えられます。

◆自分らしさを仕事に活かす

ほぼ日』という企業では、オフィス内にミーティング用の小スペースを設けたり、会議の中でも大半を雑談に時間を割いたりと、徹底的に社員同士がコミュニケーションを取り、戦略的に会話力や個性を磨くことで、結果的に新商品の企画立ち上げ等に繋がり、企業へ利益を生むという循環が社内風土となっているそうです。

安心感をもって働ける職場環境が生産性に直結する以上、ただやみくもに残業を減らすための施策を打つのではなく、環境を見直す必要があるように思われます。今ある環境のなかでの『心理的安全性』の作り方、一度考えてみてはいかがでしょうか?

<参考>
・ ”What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team” (The New York Times Magazine)
・ 「2015年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」(株式会社マイナビ)
・ 「平成24年 労働者健康状態調査」(厚生労働省)

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