労働基準監督業務、民間委託を検討

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厚生労働省は労働基準監督官の人手不足を補うため、2018年度から民間事業者へ労働基準監督業務の一部委託を行う方針を決めました。
昨今、労働環境の改善が話題になっていますが、労働基準監督署の人手不足で企業への指導・監督が十分に行き渡っていない現状があります。
その改善策として労働基準監督業務を民間委託することで、監督を強化することが狙いとなります。

人手不足による定期監督の未実施

労働基準監督業務は、総事業場数に対する定期監督を実施した事業場数の割合は3%前後にとどまっています。
また、定期監督を実施した事業場数のうち違反事業場数は70%と高い割合です。
定期監督を実施した事業場数の少なさは、労働基準監督官の人手不足が原因であるといわれています。

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出所:規制改革推進会議労働基準監督業務の民間活用タスクフォース「労働基準監督業務の民間活用タスクフォース取りまとめ」4頁(平成29年5月8日)

民間への委託の方法

民間への委託として、社会保険労務士や民間企業OB等を非常勤職員として採用したうえで、任意の訪問指導等を支援することを想定しています。

・ 民間の受託者(入札により決定し、契約により、秘密保持や利益相反行為・信用失墜行為の禁止を義務づけ)が、36協定未届事業場(就業規則作成義務のある事業場、同義務のない事業場)への自主点検票等(36協定の締結状況、労働時間上限の遵守状況、就業規則の策定、労働条件明示の状況などの点検票等)の送付や回答の取りまとめを行い、指導が必要と思われる事業場や回答のない事業場等について、同意を得られた場合に、労務関係書類等の確認および相談指導を実施する。

労働基準監督官は、これらに応じなかった事業場、 および、確認の結果、問題があった事業場に、必要な監督指導を実施する。

・ 労働基準監督署の窓口において、36協定が届けられた際に、同協定が限度基準等に適合しているかどうか点検し、適合していない場合は、助言指導を行う。

・ 小規模事業場に対して、法令周知や労働条件の基本的な事項に関する指導等を行う。

・ 長時間労働の抑制および過重労働による健康障害防止について、事業場に対する指導・助言、自主点検や集団指導、窓口での相談等を行う。

・ 働き方・休み方の改善をめぐる諸問題について、事業場に対する指導・助言等を行う。

今後の「働き方改革実行計画」を踏まえて

今後、「働き方改革実行計画」(平成 29 年3月28日働き方改革実現会議決定)を踏まえ、 罰則付きの時間外労働の上限を導入する労働基準法改正法案が提出されることとなっており、さらなる法規制の執行強化が求められています。
現状で十分な監督ができていない事業場に適切に対応するため、労働基準監督官の業務を補完できるよう民間活用の拡大を図り、監督指導の充実が図られることで、全国の企業で労働環境が改善されていくことを望みます。

参考:規制改革推進会議労働基準監督業務の民間活用タスクフォース「労働基準監督業務の民間活用タスクフォース取りまとめ」(平成29年5月8日)

森本 啓介

森本 啓介株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

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