急な病欠!「私にしかできない仕事」って一体何でしょうか。

私事になりますが、先月末、感染性胃腸炎にかかり会社を休むかどうかかなり悩みました。
その時の経験が、「私にしかできない仕事」を見直すきっかけとなったのです。

胃腸炎の体験で気づかされたこと

胃腸炎といっても、出始めた時は、熱っぽさや悪寒・体のだるさから判断して、ただの風邪かと勘違いしやすいケースもあるそうです。
実際、私自身も朝の出勤時は何ともなかったのですが、午後から体調が悪くなりそのまま早退。

この時は「胃腸炎なんて、すぐによくなるだろう」と甘く考えていたのですが……。
翌日になっても熱は上がり、嘔吐・下痢の症状まで悪化していました。

頭によぎるのは、「今日、会社どうしよう。休んでも明日出社できるか」ということばかり。

診断されたクリニックでは、「経口感染の可能性もあるので飲食店であれば完全に症状がなくなるまでは出勤はダメ。オフィスワークなら就業規則による」と言われました。

胃腸炎といっても種類はいろいろあります。

多いのが感染性胃腸炎で、病原体が胃腸に入り、発症します。
病原体は、ウイルスや細菌、寄生虫などがあげられます。

特にこれからの季節、ノロウィルスやロタウィルスが原因の「ウイルス性胃腸炎」が増えてきます。
私が罹ったのはノロウィルスよりも感染力の低いものでした。

感染症にかかった場合の就業制限については、具体的に明記されていなかったのですが、とても出社できる状況ではなく、症状が落ち着いてからの出社となりました。

従業員が感染症にかかった時、会社はどうすべき?

例えば、ノロウィルス等に感染力の強い疾患にかかってしまった場合、会社は従業員に就業を制限できるのでしょうか。

参考)インフルエンザに罹った社員を就業禁止に出来るか 9/14投稿

感染症法には、就業制限を設けなければならない疾患が第1類から第5類まで明記されています。

ノロウィルスは第5類に分類されているので、通常、会社は従業員に就業制限をかけることはできません。(飲食店や医療機関・福祉施設など、感染の拡大が考えられる分野では、就業禁止の措置を取る必要があります)

だからといって、「胃腸炎くらいで休んでもらっては困る」と出勤を強制すると安全配慮義務違反となってしまいます。

反対に従業員が「そんなに症状も重くないし、私以外にできる人がいないから……」と無理をして出社すれば、他の従業員への感染拡大の可能性が高まります。

誰かが休んでも、会社が回るように業務の分担を!

そもそも病気で長期間休んでしまうとき、どうして無理やりにでも出社させたり、出社しなければならない状況になるのでしょうか。

単純に人手不足な場合も考えられますが、「私にしかできない・知らない業務がある」という想いが少なからずあるのではないでしょうか。

「私にしかできない」という仕事は、役職についている方以外にも持っているかと思います。

果たしてこの「私にしかできない仕事」とは一体何でしょうか。

「私にしかできない」という思いは、自分の仕事に誇りをもって取り組むモチベーションにつながることもあります。

それは営業のトーク力であったり、効率よく仕事をこなすテクニックなどあくまで自分の性質や能力であるべきではないでしょうか。

誰か一人が欠けてしまっただけで、回らなくなってしまう仕事の振り方は「個人に業務が集中・負担」している状況です。
言ってみれば、「私にしかできない」のではなく「私にしかできないように独占している」状態といえます。

これは、感染症だけでなく、地震・テロ・風水害などの災害時にも同様で、誰にでも急に出勤できなくなるリスクというのは存在しています。
このリスクを放置することは、会社にとってもリスクとなります。

誰もが分かるように業務のマニュアルを組む、課内でのジョブローテーションを行うこと等で、誰もが大まかであれ業務に携わることができ、急に欠員が出てしまっても対応が可能になります。

一見手間が増えるように思えますが、企業として業務に穴を開けないことは非常に重要です。
更に、マニュアル作りや仕事の共有は、自分が普段行なっている仕事の内容が妥当かどうか、もっと効率化したり、上手なやり方はないか・・・など、見直す良い機会にもなります。

企業のため、自分のために、ぜひ日頃の業務を見直す機会をもって頂ければと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】休職者、在宅勤務者をサポート「アンリケアサービス」~その魅力と導入の流れ~

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る