JR福知山線脱線事故と衛生管理体制

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JR福知山線脱線事故から今日で8年経ちました。
あまりにも衝撃的なこの事故は、死亡者107名・負傷者562名を出すという大惨事となり、今なお私の記憶に残っています。

この脱線事故、なぜ起こってしまったのか?
私なりに衛生管理体制の側面より少しふり返ってみたいと思います。

事故の背景にあるもの

【乗客争奪戦】
当時のJR西日本では、競合私鉄との乗客の争奪戦に躍起になっていたと報道されています。

“競合他社よりも1分・1秒でも早く大都市間を運行させる”

これが何よりも最優先で、“安全第一”がおろそかになってしまっていました。

【日勤教育の影響】
日勤教育とは、旧国鉄時代から続いていた社内用語のことだそうです。
人為的なミス(信号違反、オーバーランなど)を起こしてしまった社員に対し、再発防止を図るために必要な教育が行われていました。

その教育の内容とは
・直接的原因と関係ないレポートや作文、就業規則の書き写し
・草むしり
・車両清掃
・複数の管理者に囲まれ、恫喝・暴言・罵声を浴びせられる
・給与の減額

などが実施されていたとされています。
『教育』の域を逸脱した、「見せしめ」「いじめ」「八つ当たり」「からかい」「スパルタ教育」に近いものでした。

また、日勤教育の期間や内容は、上長や管理者の裁量で決まるため、いつ終わるかわからない絶望感があったとされています。

事故を起こしてしまった運転士は過去にこの日勤教育を受けた経験があり、また事故前にはオーバーランを起こしてしまい、ダイヤに遅れをだしてしまっていたという報道がされています。

あくまでも憶測ですが、

また日勤教育を受けないといけないかもしれない・・・
ダイヤの乱れを取り戻さないといけない・・・

このような絶望感にも似た心境で、さらに速度を上げ、運転してしまっていたのではないでしょうか。

当時の報道にもありましたが、JR西日本の企業体質に、どこか“傲慢さ”があったのではないでしょうか。その傲慢さに邪魔をされ、速度重視となり安全第一の基本がおろそかになっていたのではないかと思います。

また、日勤教育に代表される“パワーハラスメント”“モラルハラスメント”により、過度のストレスが蓄積され、それにより精神的に追い込まれてしまう。良いとは言えない精神状態で日常的に列車を運行するため、安全運転とはいい難い状況が続いていたのではないでしょうか。

当時の日勤教育は、労働安全衛生規則で定められている『安全衛生教育』を適切に満たされているとは言えない状況でした。その誤りを誤りと認め、改善していける体制を築いていく。そして企業として、日常不断に社員やお客様の健康・安全に気を配り、安全(健康)配慮義務を果たすことが大切であると思いました。

このJR福知山線脱線事故を対岸の火事とは思わず、衛生管理体制を構築していくことがとても大切です。まずは衛生委員会を活性化し、産業医の不選任・名義貸しを改めるようにしてください!

弊社は、産業医のご紹介を通じて、企業の衛生管理体制構築のお手伝いをさせていただいております。過去の事例を教訓とし、二度とこのような事故が起こらないようお役に立ちたいと思っております。

藤原 実

藤原 実株式会社ドクタートラスト 大阪支店

投稿者プロフィール

難しいことはより簡単に。ややこしいことはより分かり易く。
産業保健についてより身近に感じていただけるよう、肩の力を抜いて情報をお届けしたいと思います!

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