働く女性の妊活①-賢い婦人科の選び方-

前回の妊活Q&Aの記事では、妊活一般について、具体的に妊娠を意識する以前からできることはたくさんあるということをお伝えしました。
今回は、妊娠に直結する「婦人科」の選び方についてお伝えしようと思います。

かかりつけの婦人科を持っていますか?

日本の女性の婦人科検診の受診率は、先進国の中でも、際立って低いことが知られています。

例えば、2008年の調査では、20代女性の8割が定期的な婦人科検診を受けていないという結果が発表されています。
また、2016年の厚生労働省調査では、働く女性が勤務先の定期健診を利用して婦人科検診を受けている割合も、3割台と低くなっていることが明らかになっています。
検診だけでなく、例えば月経不順や不正出血、月経痛など、気になる症状があったときに、安心して受診できる婦人科を持つことは、将来的に妊娠・出産を迎えるためにとても大切なことです。

婦人科を受診したことがない方の場合、最初のステップは、婦人科を選ぶことです。
それでは、一体どのように婦人科を選べばよいのでしょうか。

受診の目的にあった病院選びを

自分にあった婦人科を探すためには、まず、受診の際に優先するポイントを決めることが大切です。

具体的な受診目的と優先ポイントをご紹介します。

☑不正出血や月経痛などの症状を相談したい

⇒優先ポイント:立地が自宅・通勤先の近く、もしくは通勤経路にあり、土日診療や診察時間が長い婦人科

月経に関するトラブルや、体調不良を相談する場合は、継続して通院することがとても大切になります。
平日仕事をしている場合は、就業後や土曜日に通える病院をあらかじめ選んでおくのがよいでしょう。

☑すぐにではないが、妊娠を希望しているので、体に異常がないか相談したい

⇒婦人科ドック/ブライダルチェックなどが充実している婦人科

漠然と「妊娠できる体かどうか知りたい」という気持ちを持つ方は、自費診療になりますが、婦人科ドックやブライダルチェックを利用するのがおすすめです。

婦人科ドック・ブライダルチェックの内容は、医療機関によって多少の差はありますが、子宮・卵巣の病気や、感染症を調べる検査となります。
そのため、会社の定期健診の際にオプションで婦人科検診を受けられる方は、そちらを利用してもよいでしょう。

既に月経不順や月経痛など症状がある場合は、婦人科ドックではなく、保険証を使った「受診」をしたほうが費用的にも安く、症状に即した検査が受けられます。

☑妊娠を早い段階で希望している

⇒「不妊治療」の表記がある婦人科

婦人科を持つ病院には、「産婦人科/婦人科」という形態で診察をする病院と、婦人科だけで診察をする病院があります。

産婦人科は、妊娠~産後までの診察をする診療科で、婦人科はそれ以外の子宮・卵巣の病気や不妊症などを診察する診療科です。
病院を調べる際には、HPを確認し、

  • 不妊治療を行っているか
  • 行っている不妊症検査や治療について、詳しい説明があるか

などを確認しておくとよいでしょう。
不妊治療に重きを置いている医療機関を受診したほうが、検査やその後の治療がスムーズに進むことが多いです。

☑すでに婦人科を受診しているが、より専門性の高い不妊治療を希望している

⇒不妊治療の専門医療機関

すでに婦人科で一通りの検査を済ませ、タイミング法などの指導を受けたけれど、なかなか子供を授からない…という方は、高度不妊治療(体外受精)が受けられる医療機関を選ぶことになります。
通っている婦人科でご紹介を頂ける場合もありますし、自分で婦人科を探す場合もあります。

不妊治療の専門病院を受診する場合は、通院の頻度も多くなる傾向にありますので、通いやすい立地の病院を選ぶこともとても大切です。
また、病院によって、体外受精を専門としている病院と、タイミング指導~人工授精~体外受精まで不妊治療全般を行っている病院があります。
必ず事前にHP等を確認し、自分の希望している治療を行っている病院かどうかを確認してから受診するのがよいでしょう。

初めて受診する婦人科を選ぶ際は、インターネットの口コミや病院のHPをじっくりご覧になり、一番自分に合いそうな病院を選ぶことがとても大切です。
更に、受診してみて「ちょっと違うな」と感じたら、セカンドオピニオンを兼ねて他の病院を受診してみるのも良いでしょう。医療機関によって、医師の専門領域や病院の雰囲気も異なります。
ご自身が信頼できるパートナーのような婦人科医・病院を見つけるためには、自分自身で情報を集め、足を運ぶという手間を惜しまないことが重要になります。

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中村 眞弓株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

企業での健康相談や産業保健の経験を生かし、「じっくり聴く・しっかり考える」保健師を目指しています。社員の皆様・人事の皆様と一緒になって企業の健康を支えていけるよう頑張ります。
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