意外と見落としがちな職場の湿気対策

梅雨に入り、雨の降る日も多くなってきましたね。
この時期は「じめじめ」しており、湿気が多くなります。
そこで今回は職場の環境の中でも、特に気になる湿気についてご紹介します。

湿気って?

湿度が高くなるとなると息苦しさを感じたり、熱中症を引き起こしたりと、人体へさまざまな悪影響を及ぼします。
だるさを感じてしまうのも湿気が原因の場合があります。
このような状態だと仕事にも集中できないですよね。

また、換気せずに放っておくとカビの繁殖を引き起こします。
カビが増えるとアレルギー疾患や感染症、カビ中毒に繋がる可能性もあります。

このように湿気には意外と知られていない影響を及ぼすことがあります。

法から見る湿気

クールビズなどで注目されやすい温度とくらべて、見落とされがちな湿度ですが、実は、職場の湿度については、法律でもきちんと言及されています。

労働安全衛生規則では下記のように規定されています。

(温湿度調節)
第606条 事業者は、暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場で、有害のおそれがあるものについては、冷房、暖房、通風等適当な温湿度調節の措置を講じなければならない。

また、事務所衛生基準規則では以下のように規定されています。

(空気調和設備等による調整)
第5条
3 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下になるように努めなければならない。

上記では、40~70%という具体的な湿度の指標が示されています。

今すぐできる職場の湿気対策

とはいえ、梅雨の時期はどうしても湿気が多くなります。
職場内の高湿度を避けるためには、どのような対策があるのでしょうか。

① 空気の入れ替え
換気をよくするために最も一般的に知られている方法ですね。
窓は対角線上に開けたほうが換気を効果的に行うことができます。
就業開始前や休憩時間など、積極的に換気を行うとよいでしょう。
高層階などで窓が開けられない場合は、扇風機やサーキュレーターで空気の流れを作ることもできます。

② 新聞紙
新聞紙は湿気をよく吸い取るため、シューズボックスやトイレにとても有効的です。
また、空中に浮遊しているカビも吸い取ることができるので、ハンガーにかけて吊るしたり、丸めて置いておくのも効果的です。

③ 炭
炭には表面には見えない小さな穴がたくさんあり、湿気を吸着します。
一見、炭だと取り入れづらいかと思いますが、今はインテリアとしてお洒落な炭がたくさんあります。

上記はどれもオフィスで取り入れやすいものですね。

工場などはどうすればいい?

食品製造工場などの場合、蒸気を使用するため高温多湿になる職場もあるかと思います。
このような場合、従業員だけで判断して対処することは難しいため、産業医や産業保健スタッフ、衛生管理者と相談しながら決めていくことが望ましいでしょう。
室温が高くなりやすい室内での作業の場合、湿度が上がると、熱中症が発生しやすくなります。
熱中症は、重症の場合命にも関わりますので、工場では温度・湿度の管理を徹底する必要があります。

ぜひ湿気対策を!

冬場の乾燥対策は取り入れることが多いですが、湿気対策に重点を置く企業は多くありません。
この機会にぜひ一度、過ごしやすい労働環境を構築するために湿気について考えてみてはいかがでしょうか。

また、「対策してみたいけど方法がわからない」といった場合は、まずは職場巡視でデータを集め、衛生委員会で議論するなどの取り組みが非常に有効です。
衛生委員会自体が形だけになってしまっているけれど活性化したい!専門のスタッフに衛生委員会を引っ張っていって欲しい!という企業のご担当者は、ドクタートラストの保健師サービスにお気軽にご相談ください。

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