どうしてますか? 健康診断を受けたあと

前回、健康診断の受け方のポイントについてお伝えしました。

さて、4月~5月にかけて受診された方は、結果がもうお手元に届いているのではないでしょうか。
ご覧になって、今年の結果はいかがでしたか?
健診は、受けただけで満足・安心される方もいらっしゃいますが、受けた後、その結果をどう活用するかに意味があります。
「どうせ毎年同じ所でひっかかるから、わかっているよ」
はたして、今年もまったく同じでしょうか?
同じどころか、異常所見の項目が増えていたら…どうしますか?
「毎年異常なしだから、見る必要ないよ」
これまではそうだったかもしれません。
でも、今年はどうでしょうか?
などと、何だか怖がらせてしまいましたが、何もなければ「今年も異常がなかった」という安心を得るためにも、まだ確認されていない方は億劫がらずに、まずは封を開けて見てみましょう。

判定を見てみよう

健診機関によって表記は若干の違いがありますが、大きく分けると以下のような基準に分類できます。

●異常なし
●経過観察:今すぐに何か対応が必要なものではありませんが、気になる自覚症状等、体調に変化がおきた場合は医療機関を受診しましょう。
具体的に経過をみてほしいタイミングがある場合は、「経過観察(3ヶ月)」のように数字が記載されている場合があります。
●要再検査:健診時と同様の検査を、もう一度受けることを指示しています。
●要精密検査:健診結果について、病気の疑いがあるのか、また治療が必要かどうかを確認するために、より詳しいもう一歩踏み込んだ検査を指示しています。
●要治療医師による医療措置が必要なことを示しています。

上記は上から順に、下へいくほど所見として重くなっています。
経過観察は、「まずはしばらく様子をみましょう」という意味ですが、イコール「放置してよい」というものではありませんのでご注意ください。
また、混同しやすい再検査と精密検査の違いについても、こちらにご説明しましょう。

【再検査】
異常となった数値が“一時的な変動かどうか”を確認するための検査です。
健診で出た数字が正しいものかどうか、もう一度検査をして確認をとっていきます。

例)生理中の尿検査で、尿潜血と出た。⇒ 要再検査 ⇒ 再度、生理終了後に同じ検査をし、尿潜血は陰性だった。

【精密検査】
健康診断で出た数値から見て“治療が必要かどうか”を確認するために行う、より詳しい検査のことです。
健康診断では決められた検査のみを行いますが、「もっと詳しい検査をして原因を見つける必要がある」と判断した場合に要精密検査となります。

例)便検査で潜血陽性と出た。⇒ 要精密検査 ⇒ その後大腸内視鏡検査を受け、大腸にポリープが見つかった。

お手元の健診結果には、より詳しい項目ごとの解説も記載されているかと思います。
判定の意味する内容がわかったら、続いて各項目の示す意味もじっくりと読みましょう。(異常所見の項目は特に!)

「要精密検査」と判定されたら、必ず精密検査を!

がん検診において、要精密検査と判定された人のうち、その後実際に精密検査を受けたことが確認できた人の割合(精検受診率)は、大腸がんで63%、子宮頚がんで68%にとどまることが、厚生労働省の調べで明らかになっています。(2011年度)

がん検診の受診率は伸びているものの、結果、その検診で出た判定を放置されていては意味がありませんね。
こうした状況を受け、厚生労働省は今月17日、がん対策の国の指針となる「第3期がん対策推進基本計画」の原案を有識者会議に提示しました。
「本来100%であるべき受診率は、およそ65~85%にとどまっている」と問題視し、早期発見から治療につなげていくことを重要な対策の一つに据え、目標数値を90%に設定、精密検査の重要性を呼びかけていくこととしています。

結果で気になることは、医療職へ相談を

検査や医師の診察が必要と判定された方は、まずは医療機関を受診してください。
かかりつけ医がいる場合は、自身の健診結果を持参し、直接共有いただくのがよいかと思います。
また、勤務している会社に医療職(産業医、保健師、看護師等)がいる場合は、積極的に相談・質問などされてみることもお勧めです。

「精密検査を受けるよう指示されたけど、次はどんな検査を受ければいいの?」
「要医療とあるが、何科を受診すればよいのか」

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