「職場の信頼関係」が年々重要になってきた理由

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人間関係の構築には欠かせない「信頼」。
「信頼できる人がいない」という悩みを聞くことが増えてきた昨今。

そもそも「信頼」ってなんなのでしょうか。
人はどういう時に人を信頼するのでしょう。
また、信頼って本当に必要なのでしょうか。

日常何気なく使っている「信頼」について、今回は取り上げてみたいと思います。

信頼する気持ちはどこからやってくるのか?

そもそも他人を信頼できるかどうかを人はどうやって判断しているのでしょうか。
信頼を判断する視点としては、主に下記2つとされています。

① 【相手の人格特性】誠実さ、能力、善意によって合理的に信頼できるかを判断
例)あの人はセールスNo.1だから仕事を任せられる。
〆切に遅れたことがない人だから。

② 【双方の関係性】対象と主体の関係性から生じる感情による判断
例)彼とは高校時代からの長い付き合いだから。
あのピンチを一緒に乗り越えた人だから。

対象を信頼できるかどうかは、相手の能力や人格によって合理的な判断をする側面(①)と、自分と相手との関係性によって生じる感情によって判断する側面(②)とで、成り立っています。
どちらも信頼できるかを判断するにあたって大切な視点なのですが、①のように、相手の過去の実績などによる合理的な評価にもとづく信頼だけでは、十分な信頼関係とはいえません。
信頼は、合理的判断のみで築かれるものではなく、「この人なら任せてもきちんとしてくれるだろう」といったように、今からする行動に期待する感情が必要で、一般的に感情が入った信頼関係は、合理的判断からなる信頼関係より強固なものであるとされています。

信頼の構築にはリスクがともなう

一定の成果を出さなければいけない仕事の場では、相手が信頼できるかを判断するにあたって、合理的側面による判断が重要視されます。
しかしながら、上司が合理的な視点ばかりで仕事を部下に任せていたら、部下の成長と、信頼関係の構築は望めません。
部下には、合理的評価を超え、期待をこめた感情を含む「信頼」によって仕事を任せることが必要になります。
このような感情的信頼は、相手の行動次第ではリスクを負う可能性を伴うものですが、合理的評価に基づく信頼性よりも、相手との信頼関係を高めることになります。
感情的信頼性は、相手を一人の人間として認めることであるから、上司への信頼性も高まると同時に、部下の人格等の成長が促されるのです。

自分がリスクをとると、相手もそれに応えようとしいつも以上の能力を発揮し返報する。
そしてさらに自分が応える……。

このようなやり取りが何度か繰り返されることで信頼関係は築かれると考えられています。

日本人の場合は、信頼感を構築するにあたり相手の能力の程度は影響せず、自分への配慮を感じられるかどうかが最も大きな要因であることが調査により明らかになっています。
特に中長期的な関係の継続性がある上司と部下の間で、気遣いや関心などに基づく感情の「信頼関係」が大切とされる理由が分かってもらえるでしょう。
これらの感情的信頼を構築するには、日頃からのコミュニケーションの質と量が必要です。
感情面での信頼構築は、合理的評価による信頼よりも、職場内での各個人の成長と、仕事の成果を高めることになるのです。

不確実性が増し続ける職場環境

一定のリスクを請け負いながらの信頼関係と聞くと、信頼関係は必要なのかという疑問が湧くかもしれません。
しかし不確実性に対処する職場では、信頼関係は必要不可欠であることはさまざまな調査から明確です。
なぜかというと、信頼の重要性は社会的不確実性の高い状況でこそ高まることがわかっているからです。
実は社会が固定化し限られた人間関係のなかで生活する場合には、人は安心して生活できるため、「信頼」という関係性は必要とされません。
逆に、これからどうなるかわからないといった「安心」が約束されていない集団の中で拠り所とされるのが「信頼」であり、そういった状況下で「信頼」の重要性は高まるのです。
経済も人も流動化している今の時代で、対人関係において「信頼」が重要であることは紛れもない事実なのです。
社会的動物の人間は、自分ひとりの能力や力だけで成し得ることは限られています。
そういった人間には、個人差はあっても、一般に相手を信頼する力がある程度備わっています。
誰かを信頼し頼ることで、不確実性の高い状況でも、できることの範囲を広げることができ、自分自身の成長に繋げることができます。
人を信頼するということは、自分自身の人生の幅を広げるためにも重要なことなのです。

信頼の第一歩を自分から

「信頼できる人がいない」という悩みを抱えている方も多いと思いますが、そういった場合、一度自分自身が合理的評価による視点に偏っていないか考えてみてください。
他人を信頼することは、相手の能力にのみ委ねられることではなく、自身の信頼する力というスキルが必要です。
信頼する力とは、「他人は信頼できるもの」という前提にたち、まずは自分が善意を示す。
そこから信頼関係の構築は始まります。

周りの人との信頼関係の一歩を自分から踏み出してみてはどうでしょうか。

山口 紗英

山口 紗英株式会社ドクタートラスト 精神保健福祉士

投稿者プロフィール

職場のメンタルヘルスに世の中の関心が向いている今だからこそ、こころの健康の重要さを理解して頂けるチャンスと考え、企業やはたらく皆様のお力に少しでもなれたらと思っています。精神科病院等医療現場での経験を生かせるよう頑張ります。

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