「仕事が手につかない部下」を持つ上司が気を付けるべきこと

真剣に取り組まないといけないことなのに、どうしても先延ばしにしてしまう……。
やらなければいけない仕事はたくさんあるのに、どれから手を付けてよいかわからない……。
重要な会議中に、じっとしていられずもじもじ、そわそわしてしまう……。

これらの症状は、やる気の問題ではなく脳の伝達物質に問題があるのかもしれません。

ADHDとは

ADHDはAttention-Deficit/Hyperacitivity/Disorderの略で日本語では注意欠陥多動症と訳されます。

不注意や多動性、衝動性を特徴とする発達障害で生活に困難をきたす状態を言います。
平成28年4月より「障碍者差別解消法」が施行され、発達障害という言葉が世間に浸透しましたが、ADHDの理解はいまだに浅いと言えます。

誰かと話しているとき、ぼーっとしてしまうことや、何かをわすれてしまう、衝動的になにかをしてしまう。
こういったことは誰にでもよくあることですが、問題の程度が多く生活に支障をきたすレベルであるなら、ADHDと診断される可能性があります。

ADHDの症状

ADHDの症状は主に以下の3点に分けられます。

多動性
会議中に落ち着かず、そわそわしてしまう

衝動性
失言をしてしまう
思いついたことをすぐに言動に移す

不注意
会議に集中できない
なかなか仕事に取り組めず締め切りに間に合わない
必要な書類等をなくしてしまう
ケアレスミスをよくしてしまう

上司としてどう対応すべきか?

ADHDの特徴がみられる人に対して、どのように向き合えばスムーズに業務が進むかその対応も上司の重要な役割の一つと言えるでしょう。

・業務タスクのメモをとり、机の上など目につきやすいところに貼っておくよう指示をする
・複数の作業がある場合、小分けにさせ、優先順位をつけ、同時進行を避けるよう促す
・発言する前に、メモを取らせる
・資料等の提出時には、他の人にダブルチェックをさせる

以上のような配慮は望ましいといえます。

ADHDに起因するメンタル不調

ADHDが原因で、メンタルヘルスの不調を併発してしまう場合もあります。

例えば、自分は他人より劣っているという劣等コンプレックス、自分には能力がないと思い込んでしまう自己不全感からくる抑うつや、不眠症などです。
上記の症状を持つ従業員がいれば、産業医や保険スタッフに相談させるよう勧めてみるのもよいでしょう。

また、ADHDの診断は、インターネット等を使いセルフチェックもできますが、自分で判断するのではなく専門機関に相談して、アドバイスをもらいながら治療を進めていくことが大切です。

ADHDの原因は遺伝や環境、脳の伝達物質の関連だと言われていますが、詳しい原因はまだ判明していません。
くすりによる治療法もありますが、特性と周りの環境をすり合わせる必要があります。
なによりも周囲の理解とサポートが必要だといえるでしょう。

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