昼休み5分でできる!自律神経コントロール

ストレスと自律神経の関係

ストレスの大小はあれど、現代人の生活にストレスはつきものです。
ある程度のストレスは人間の行動を良い方向に導くことがありますが、過剰なストレスは私たちの自律神経のバランスを乱しがち。
自律神経の乱れは、不眠やうつ病などさまざまな不快な症状を引き起こす原因となるため、自律神経を上手にコントロールしていくことが、日々を快適に過ごしていく大切なポイントとなります。

自律神経とはそもそも何かご存知ですか?

自律神経は「交感神経系」と「副交感神経系」の2つの神経系統で構成されていて、私たちの体のあらゆる機能をコントロールしています。
交感神経は「闘争と逃走の神経」と呼ばれ、私たちの体のアグレッシブな部分を司っています。一方、副交感神経は「休息の神経」と呼ばれ、リラックスの部分を司っています。
本来、この2つの神経がバランス良く働き、私たちの体を維持しているのですが、ストレスや不規則な生活が続くことで簡単にこのバランスが崩れてしまうことがあるのです。

ストレスを感じる時、呼吸は浅くなる

私たちの体には交感神経・副交感神経どちらの働きも欠かせませんが、副交感神経が優位になる時間がないと、心身ともに疲弊した状態になってしまいます。
強いストレスを感じている時、緊張している時、落ち込んでいる時、よく眠れない時、ちょっとだけ呼吸を意識してみてください。
呼吸が浅く、早くなっていませんか?
浅く、早い呼吸が続くと「交感神経」のスイッチが入り、心身ともに緊張状態になり、イライラした気持ちや怒り、不安をうまく抑えられず、眠りも妨げます。
一方で楽しい時、リラックスしている時、深い眠りについている時は、自然とゆったりとした呼吸になっているはずです。
このゆったりとした呼吸は副交感神経を活発にして、よりリラックス状態を生み出すことになります。
この2つの自律神経の働きは体の自然な反応ですが、呼吸の状態を少し意識することで自分でもコントロールすることができます。

体を錯覚させてリラックス状態をつくる

無理やりでも「リラックス状態の呼吸」することで、体は「リラックス状態である」と錯覚し、副交感神経が優位になり、結果的に「リラックス状態の体」を作り出すことができるのです。
昼休みの間、寝る前など5分程度の時間で構わないので、「腹式呼吸」と呼ばれる深い呼吸を意識して取り入れてみましょう。
呼吸は「吸う→吐く」ではなく、まずしっかりと「吐く」ことから始めます。
肺の空気をゆっくりと全て吐ききるようにすると、次に自然と深く「吸う」という行為が生まれます。
口からしっかりと空気を吐き切ったら、鼻からゆっくりと時間をかけて空気を吸う。
目一杯空気を吸ったところで、今度は口からゆっくりと空気を吐き出します。
これを1回5分程度繰り返し行います。
吸う時も吐く時も時間をかけることがポイントで、呼吸に意識を集中すると、自然と他のことが頭からなくなるのが感じられます。

仕事や家庭、人間関係、生活習慣などさまざまなストレスにさらされる私たちの生活は、ちょっとしたことで交感神経が優位になりやすい状況にあります。
いわゆる「自律神経失調症」と呼ばれる、コントロールを失った状態になる前に、日常の中に呼吸法を取り入れて、ストレスと上手に付き合っていけるようにしたいですね。

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田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験をさまざまなかたちで皆さまにお届けします。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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