社員の有休取得率を上げる企業アイディアあれこれ

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有給休暇は福利厚生制度の一つであり、働く人の権利として法律で保障されています。
しかしながら、厚生労働省の調査によると、平成27年度の有給休暇取得率は47.3%でした。
日本では有給休暇について、「病気やけがで仕事ができないときに使うもの」といった臨時休暇的な意識が未だに強く、会社へ有給休暇を請求しづらい風土があるようです。

政府は当面の目標値として、有給休暇取得率を70%にまで伸ばそうとしていますが、現状では遠い道のりといえるでしょう。

有給休暇取得は企業メリットも大

有給休暇の取得促進は、企業にも大きなメリットをもたらします。
まず、従業員に時間的・精神的な余裕が出ることにより、モチベーションアップ作業効率向上新しいアイデア創造などの効果が生まれます。
あわせて、過重労働によるメンタルヘルス不調の予防にもつながります。
生産性の向上とメンタルヘルス対策コストの低減が、一度に図れることになります。

加えて、企業イメージも向上します。
有給休暇をきちんと取得できるということは、働く人からすれば大きな魅力です。
人材難といわれるご時世、労働環境のよさをアピールすることで、優秀な人材を集めたり、人材定着につながる効果があります。

また、自分がいなければ業務がまわらない、自分の担当業務は自分のやり方でやっているからどんなに忙しくてもほかの人にまかせられないといった、組織や本人にとって不健全な状況に陥ることも防げます。
給料を払って休暇を与えるということは、企業にとってロスに思われがちですが、こういったさまざまなメリットがあります。

なぜ有休は取りづらいのか?

有給休暇は、従業員が「休みたい」と申告しなければ取得できません。
では、従業員が有給休暇を取得しない理由としてどのようなものがあるでしょうか?

  •  みんなに迷惑がかかると感じるから・・・74.2%
  •  後に多忙になるから・・・・・・・・・・44.3%
  •  職場の雰囲気で取得しづらいから・・・・30.7%
  •  上司がいい顔をしないから・・・・・・・15.3%
  •  昇格や査定に影響があるから・・・・・・9.9%

※ 出典:労働時間等の設定の改善を通じた「仕事と生活の調和」の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査(平成26年)

従業員が自ら声を上げづらいならば、「会社側が計画的に与えてみる」という方法が考えられます。
まだあまり浸透していませんが、有給休暇付与日数の5日を超える分について、あらかじめ会社が計画表を作って労働者に有給休暇を取ってもらうという制度があります(労働基準法39条5項「年次有給休暇の計画的付与」)。
会社が主導権を持って有給休暇を与えることで、従業員もスムーズに休みがとりやすくなるしくみです。

企業がリードしたい「計画的取得」

厚生労働省は「年次有給休暇ハンドブック」の中で、「計画的取得」の事例として以下のような事例をあげています。

  •  企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方式:製造業は、たとえば閑散期などに、全社一斉、あるいは部門ごとに生産計画、事業計画に連動して有給休暇を取得させる。
  •  半・グループ別の交替制付与方式:流通業、サービス業などは操業を停止することが難しいので、部門の半数やグループ単位などで有給休暇を取得させる。
  •  年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式:年初に行事カレンダーを設定し、その中に個人イベント、たとえば結婚記念日や誕生日などを含めることで有給休暇取得することの抵抗感をなくす。
  •  夏季休業、年末年始に近づけて付与し、大型連休とする。
  •  飛び石連休に対し、ブリッジホリデーとする。

他にも厚生労働省では有給休暇促進の例として以下のような例をあげています。

  •  年次有給休暇取得状況と取得率目標を、管理職のミーティングや朝礼で報告し、部署ごとに上長から従業員へ伝えるようにする。
  •  年次有給休暇の取得率を向上させる方法を検討をするために、取得率40%以下の社員を対象に「有給休暇の取りやすさ・取りにくさ」について、アンケート調査を実施し、阻害要因を少しずつ解消することにより、取得率が低い従業員への取得促進を図る。
  • 給与明細等に年次有給休暇の取得状況、残日数等を記載し、従業員自らが休暇取得状況を把握できるようにする。

ユニークな有給休暇制度あれこれ

ユニークな休暇制度を作り、有給休暇の取得を促進している企業もあります。
たとえば、株式会社ノバレーゼ、株式会社ギャプライズ、株式会社高島屋などには、次のような有給休暇制度があるようです。

  •  アイデア休暇 ユニークな嘘をつけば有給休暇を取得できる制度。社員を楽しませ、コミュニケーションを活性化させたことが評価されるということ。例:サッカー日本代表に選ばれたからやモナコグランプリに参戦する
  •  サプライズ休暇 誰かを喜ばせることを目的に、その準備のための休暇を認める制度。例:一人暮らしの娘を心配して地方から上京する両親を驚かせるため
  •  ライズ休暇 自分自身を成長させるために、セミナーや研究会に参加するための休暇を認める制度。例:WEBデザイナーが美術展を見に行く
  •  オシャレ半日休暇 社員のファッションスタイルのレベルアップを目的に、平日バーゲンに行くための半日休暇を認める制度。※ バーゲンは金、土、日が多いので、初日で良い品のある金曜日にバーゲンに参加できるというもの
  •  失恋休暇 失恋をして、落ち込んで能率の悪い状態で仕事をすることがないように休暇を認める制度
  •  LOVE休暇 恋人や愛する家族の誕生日に休暇を認める制度。プレゼント代が会社から支給されることもある
  •  おかえりなさい休暇 単身赴任者が実家に帰るための休暇制度
  •  プロジェクト休暇 プロジェクト終了時に管理職が主導となってチームで連続休暇を取る制度

以上のように、社員の有給休暇取得に積極的な企業は増加しています。

元気な企業は、元気な社員が創ります。
そのためにも、企業は有給休暇の取得促進に今以上に取り組んでいく必要があるでしょう。

船渡川 太一

船渡川 太一株式会社ドクタートラスト 産業保健部

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