医師による長時間労働者面接の必要性

先日、広島中央労働基準監督署が、各事業場における過重労働やメンタルへルスに関する労務管理アンケートの取りまとめを行い、驚くべき実態が浮き彫りになりました。

広島中央労働基準監督署が公表したアンケート結果が下記です。

過去1年間で時間外労働が最も多かった労働者の1年間の時間外労働時間数は、「600時間以上」が97社(24.9%)
過去1年間で時間外労働の最も多かった労働者の1カ月当たり最長時間外労働時間数は、「100時間以上」が55社(14.1%)、
「80時間~100時間未満」が48社(12.3%)となり、合わせて103社(26.5%)で過労死基準にあてはまる長時間労働者が多くいることが判明しました。

長時間労働者に対する産業医による面接指導の実施有無は、「(面接指導)している」が59.9%と過半数となり、「検討中である」(11.6%)、「していない」(6.2%)が合計18%近くを占めました。

時間外・休日労働時間が1か月当たり80時間を超える従業員に対する医師との面接指導は努力義務ですが、従業員の健康管理のうえでも行うべきであり、今一度長時間労働について整理をします。

 

■長時間労働者への面接とは

脳・心臓疾患の発症は長時間労働との関連性が強いとされていることから、労働安全衛生法第66条の8により、

事業者には、医師による該当者への面接指導を行うことが義務付けられており、事業者は長時間労働等の要件に該当する労働者の健康状態を把握し、適切な措置を講じなければなりません。

 

長時間労働者への面接指導制度については、厚生労働省からリーフレットが公開させれていますので、それを確認いただくのがよいでしょう。

長時間労働者への面接指導制度リーフレット

■従業員の健康管理の責任を果たすため長時間労働削減を

長時間労働は、医学的見地からも脳・心臓疾患等の症状が発症する原因の一つであり、

事業者が何かしらの予防・事後措置を講じなければトラブルが生じるおそれもあります。

国としても長時間労働の削減に積極的に取り組んでおり、厚生労働省は「長時間労働の削減に向けて」というリーフレットを発表し、

長時間労働解消に向けた取組内容等がそこに記載されています。

 

昨年からストレスチェック制度も始まり、事業者は従業員の心身の健康も管理していく中で

いま一度長時間労働に対して確認を行い、従業員の健康への配慮を徹底していくことが必要ではないでしょうか。

 

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