社員がストレスチェックを拒否! そのとき会社はどうする?

kyohi-sc

2015年12月1日より実施される「ストレスチェック」。この記事では、もし社員がストレスチェックを拒否したら、企業としてはどうすればよいかを考えていきます。

社員にストレスチェックを受けたくないと言われたら?

ストレスチェックの義務化。もし従業員が受検を拒否したら、企業としてはどうすればいいでしょうか?
罰則などを盾に強要することはできるのでしょうか?

ご存知の方も多いと思いますが、ストレスチェックに付随する義務はあくまで企業における「実施の義務」です。
つまり、実施されるストレスチェックを受検するか否かは、従業員に選択の権利が与えられています。
業務過多や体調不良、そのほか本人のやむを得ない事情によりストレスチェックを受けないケースも十分に考慮しなければなりません。
どんなに企業が受けてほしいと願っていたとしても、それを強要することはできません。

ストレスチェックは結果的に社員を守るために行うものです。
社員が拒否することのないよう、拒否理由を想定しつつ、その対策を考えていきましょう

仕事が忙しく、受検している時間がない

これから年度末に向けて繁忙期を迎える企業も多いと思います。
社員が拒否する理由として第一に考えられるのは「忙しいから」です。

これについては以下の2つによって容易に対策を打つことができるでしょう。

①実施時期を閑散期にずらす

実はストレスチェックは繁忙期ではなく、閑散期に行うことが望ましいと考えられています。
繁忙期とは、業務過多によるストレスが最も社員自身にかかっている状態と言えます。
逆にこの時にいかに高ストレス状況が確認されたとしても、繁忙期が過ぎれば落ち着く可能性があります。
社員が最も落ち着いている状態でストレスチェックを行うことをお勧めします。

②ストレスチェックの所要時間をあらかじめ伝えておく

国の推奨するストレスチェック質問票は、57項目。1問あたり10秒考えたとしても10分程度の時間で受検は終了します。
たくさんの設問に答えねばならずかなり時間がかかるに違いない。そう誤解している社員もいることでしょう。
業務の隙間でたったの10分間だけ、ストレスチェックのために使えないかと社員に訴えてみましょう。

ストレスチェックを受けることで、自分に不利な状況になるのでは?

「ストレスチェックで結果が悪いと、メンタルに問題がある社員と判断されて出世が遠のく」
「ストレスチェックの結果によっては、クビになったりするのではないか」
「社員のメンタルの状況を会社がチェックするなんて、マイナスにしか思えない!」
そう思っている社員もおそらくいることでしょう。

以下のことをきちんと説明し、社員の納得を得られるように努めたいものです。

①ストレスチェックの結果は、人事権を持つ人は閲覧できない

社員の方がストレスチェックを受けた場合、チェック用紙に鉛筆で印をつけた段階から、人事権を持つ人はその紙を閲覧したり手に取ることはできない、という前提でストレスチェックの仕組みは作られています。

ストレスチェックの結果をもとに、不当な扱いを受けることを防ぐためです。

例えば調査データの回収や評価の出力といったものは全て実施事務従事者以外は原則行うことはできません。
そしてこの実施事務従事者は人事権を持たない人事部の職員、産業保健スタッフ、その他の部署の職員などとされています。事業者(社長)や役員、人事部長などは実施事務に従事することはできないのです。

つまり「ストレスチェックを受けた結果、ご自身の立場が悪くなる」ということは原則ありえないのです。

②ストレスチェックの結果は、本人の同意なく会社に伝えられることはない

ストレスチェックの実施者は、従業員の結果について、本人の同意なくして会社に伝えることはできません。
つまり社員は、どんな結果だったかを企業側に伝えなくてもよいのです。
企業へ通知しない=結果が悪かったのではないかと会社側が勘ぐるのではないか? そう心配する人がいるかもしれません。
しかし、企業側が知ることができるのは、あくまで同意を得た人の結果のみ。
以上より、ストレスチェックの受検が個人に不利益を及ぼすことはないといってよいでしょう。

そもそもなぜストレスチェックを受けなくてはならないの?

なぜストレスチェックを受けなくてはならないの?
そんな否定的な意見をもつ社員もいるかもしれません。

そういう社員にはこう説明してはいかがでしょうか?

①ストレスチェックは「社員の健康を守る」ための会社の義務である

ストレスチェックで高いストレスを抱えた社員を早期に見つけることができるかもしれません。
これはストレスチェックを実施する重要な目的の一つであり、社員にとっても、自分の不調に早期に気付くことができる、大切な機会だと考えることができます。
メンタル不調は早期対応が最も大切です。企業が一丸となって、高ストレス者を守るべく様々な施策を打つこと。ストレスチェックのアフターケアは、企業にとってとても重要なことです。社員に対しても、決して高ストレス者のあぶり出しのために行うわけではないことを十分に伝えましょう。

②ストレスチェックをもとに集団分析を行い、会社の改善に役立てる

ストレスチェックはもう一つ、集団分析という役割を担っています。

規模の企業になればなるほど、局地的な高ストレス部署も出てくるでしょう。

例えば、部長がパワハラ・セクハラを行っているが、他の部署の人には言えずにいる場合、集団分析を行うことによって、高ストレスの部署としてが浮かび上がってくるかもしれません。

部署ごとのストレス傾向をつかみ、その原因の究明と改善を行うことで、よりよい職場を目指そうという試みです。

いわばストレスチェックは「匿名のSOS」という役割も担っているといえます。

あくまで社員のためであると納得をしてもらう

ポイントをいくつか上げましたが、結論として言えることは「ストレスチェックを受けてもよい」と社員が思えるような信頼関係を築き上げることが何よりも大切な解決方法だということです。ストレスチェックでは、嘘の回答をすることもできなくはありません。本音で社員が会社に向き合ってくれるよう、その期待に応えるよう、会社は手を尽くさなくてはならないのです。

社員に安心して受検してもらえるようにしっかりと目的や趣旨を説明し、新たな制度をスムーズにスタートさせていきましょう。

佐々木 泉

佐々木 泉株式会社ドクタートラスト 経営企画部 広報課

投稿者プロフィール

企業の健康を考えるこの会社で、
皆様が心身共に元気に過ごせる日常をサポートいたします。
少しでも、皆さんの力になれたらうれしいです。

この著者の最新の記事

関連記事

衛生管理者の必携知識

  1. 地球儀

    世界の労働時間ランキング、日本は何位?

  2. 過重

    健康診断の受診義務が過重労働対策になる!

  3. sasimi

    オフィスの防災対策、合言葉は「あえてさしみ」!

  4. 6jikan

    北欧で流行りの「1日6時間労働」! 日本で実現する?

  5. rousai

    労災が発生!衛生管理者は処罰を受けるか?

一目置かれる健康知識

  1. ^8DCC026F7626FAF8066AAF708AC72A779CE8E682D19ADB58CB^pimgpsh_fullsize_distr
  2. stylish bedroom interior design with black patterned pillows on bed and decorative table lamp.
  3. AdobeStock_50156371
  4. ドライアイ
  5. manindensya
  6. jiritu
  7. 落ち込むビジネスマン
ページ上部へ戻る