スタート直前!ストレスチェックは「自分のため」に受けよう!

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12月から始まる「ストレスチェック制度」。
第1回目の実施期限は、今年12月1日から、来年の11月末までです。
働く人のメンタルへの対応がこれほど本格的に必要になった社会とは、どんな社会でしょうか。

メンタル不調は日本経済に大打撃

自殺者の統計を取り始めた1978年より、日本の自殺人数は2万人から2万5千人を超え、バブル経済が破たんした1998年からは3万人を超えました。
2012年からは2万人台に減少したとはいうものの、依然、先進国としては自殺率は高いことが知られています。
このような背景から、国としてメンタル対策を講じなければならなかったというのが正直なところでしょう。

また、厚生労働省の公表によると、うつ病や自殺による日本の経済損失額は年間約2.7兆円に上るといわれています。
経済損失とは、以下を指します。
・休職や離職をせざるを得なくなった労働者自身に対しては賃金収入の機会損失(税収減)
・社会保険からは治療に必要な医療費(健康保険)や傷病手当金などの負担増加
・長期的に働けなくなった場合の生活保護  など。

日本という一国の財布の中で、うつ病や自殺者の増加は、労働者個人の収入減少(税収減)を伴い、国から持ち出す社会保障の支出が増えるという構図を生み出します。

また、ストレス過多でメンタル不調者が継続的に多数出る事業場は、労働者個人の健康や幸せを奪うと同時に、社会経済への足かせになっていると言っても過言ではないでしょう。

ストレスは悪役?

しかし、ストレスが完全なる悪かというと、そうではありません。

ストレスとは、外的刺激によって心身に対する負荷がかかり、その心身に歪みが生じる(負荷のかかった)状態を指します。
歪ませる(負荷をかける)原因となる刺激を「ストレッサー」と言い、一般に「ストレス」という言葉を使う場合は、この「原因となる刺激=ストレッサー」を指しています。

負荷(刺激)をかけるストレスというと、困った存在のように感じるかもしれませんが、意外にそうとは言い切れないのです。
ウイルスに例えると分かりやすいかもしれません。

人間は多少のウイルス(ストレス)に晒されることで、自身の免疫機能を高めます。
しかし、無菌(ストレスフリー)が長く続くと免疫(防御)機能も低下します。
無菌状態で生活していると、雑踏の中を少し歩いただけで風邪などにかかりやすく、重症化しやすくなります。
そのため、『適度なストレスは、スパイスとして自身の飛躍に活用できるエネルギー』として、捉えることもできます。

ストレスがある=すぐ受診、とは考えないほうがいい

メンタル不調者が多い昨今、駅前や繁華街で多くの「メンタルクリニック」の看板を見かけます。
昔は駅前に「精神科」「心療内科」を見かけることはほとんどありませんでした。

医療者の立場で言えば、精神科への受診に対してハードルが下がったことは、早期発見早期治療に繋がります。
しかしながら、先にも述べたように、ストレス=悪ではありません。
身体症状や日常生活に支障が出ている場合には、カウンセリングや薬は必要です。
しかし、安易な受診と処方により「病気の自分でいること」から抜け出せなくなっている人が多いようにも感じます。

ストレスチェックで自身のストレス状態を把握したら、その原因と向き合ってみましょう。

ストレスチェックは誰のため?

ストレスチェックの第一の目的は、自身のストレスの状態に気付くこと。

現代社会においては個人のキャパシティ以上に結果を求められ、忙しさと過労が慢性化した結果として、ストレスが蓄積していることに気づけない人も多いようです。
無自覚のままに悪化させることの無いように、自分のストレス状態に気付きましょう。仕事に忙殺されて麻痺している感覚を現実世界へと引き戻すために、ストレスチェックを活用するのだというように考えてみましょう。

セルフケアとは、自分の健康を護ること。自分を護ることは自分にしかできません。
十分な休養を取り、必要な栄養を摂り、適度に体を動かすことで、本来、人間に備わっている回復力(自然治癒力)を促しましょう。
また、ストレスだと感じた事象への受け止め方(見方)を少し変えるだけで、ストレスの負荷が変わってきます。
セルフケアについてはこちら ⇒ http://news.doctor-trust.co.jp/?p=14751

誰のためでもなく、自分のために、心身の健康を意識する一つのツールとして、ストレスチェックを受けることをお勧めします。

山口 紗英

山口 紗英株式会社ドクタートラスト 精神保健福祉士

投稿者プロフィール

職場のメンタルヘルスに世の中の関心が向いている今だからこそ、こころの健康の重要さを理解して頂けるチャンスと考え、企業やはたらく皆様のお力に少しでもなれたらと思っています。精神科病院等医療現場での経験を生かせるよう頑張ります。

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