煙のそばだけタバコの影響があるわけではない~サードハンドスモークの存在~

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サードハンドスモークとは

喫煙は喫煙者本人の身体の害になること、喫煙者が吐き出したり、タバコの先から発生する「煙」が周囲の人の悪影響になることはよく知られています。
しかし、タバコの害は「煙が出ているときだけではない」ということは、なかなか知られていないのではないでしょうか。

タバコを消した後の残留物から有害物質を吸入することを「サードハンドスモーク」といいます。
これは、喫煙者が吸う煙を「ファーストハンドスモーク」、 受動喫煙を起こす煙を「セカンドハンドスモーク」ということから、米国ボストン小児病院の医師が使い始めたものです。
あまり注目されず認知度の低かったタバコによる第3の健康への影響
海外では研究が進められ、厚生労働省「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会」でも議論が交わされるなど、最近になって注目が集められています。

サードハンドスモークの発生場所

サードハンドスモークはタバコの煙と違い、目に見えることはありません。
では、どのような場所に潜んでいるのでしょうか。

サードハンドスモークはタバコを吸い終わった喫煙者の呼気、髪の毛、衣類、吸っていた部屋のカーテン、ソファなど、タバコの臭いのするところにはほぼ必ず潜んでいます。
また、残存期間は長く、数ヶ月間は消えずに存在するともいわれています。

サードハンドスモークによる健康への影響

サードハンドスモークで問題になる有害物質は「ニコチン」です。
ニコチンは空気中に存在する亜硝酸と反応すると、ニトロソアミンという「発がん性物質」に変化し、健康に影響をもたらします。
また、サードハンドスモークにはニトロソアミンが受動喫煙よりも多く存在するとされています。
サードハンドスモークの影響を受けやすく、特に注意が必要なのは、喫煙者からの抱っこや、おもちゃや指を口に入れる、床を這う、横になって遊ぶなど有害物質の存在するところに直接接触する機会の多い「子ども」だといわれています。また、「妊娠中の方」も胎児への影響も懸念されますので影響を受けやすいといわれています。

サードハンドスモークの影響を少なくするには

サードハンドスモークには害があるということはおわかりいただけたかと思います。
しかしながら、同時に、サードハンドスモークの存在場所を見ると、サードハンドスモークの影響を受けずに生活するということはかなり厳しいということも見えてきます。
では、影響を少なくするためにはどのようにすればよいのでしょうか。

換気の徹底

有害物質は布に染み付くなどの特性を持っているため、換気をしただけでは100%の除去は難しいですが、換気をすることにより影響を少なくすることができるといわれています。

喫煙場所

受動喫煙を防ぐために、ベランダや換気扇の下でタバコを吸う人は多いです。
しかし、それではサードハンドスモークを防ぐことは難しく、また、サードハンドスモークのことだけを考えれば、洗濯物を干しているベランダでの喫煙は悪影響となってしまいます。
サードハンドスモークを防ぐためには、喫煙はできるだけ完全な屋外で行うか、難しければ決められた場所で行い、特に子どもや妊婦がいる家庭では、子ども・妊婦のそばや遊び場、寝具が置いてあるところは避けましょう。
なお、30分程度は喫煙者の呼気から検出されるといわれていますので、そこにも注意が必要です。

掃除

畳やフローリング、絨毯は洗濯することはできませんが、水拭きと空拭きで影響を少なくすることができます。
掃除をする際は掃除機のみではなく拭き掃除も取り入れてみましょう。

洗濯

喫煙者はもちろんのこと喫煙者が近くにいる人は、衣類に有害物質が付着しやすくなっていますのでこまめに洗濯をするようにしましょう。
また、毎日洗えないようなカーペットやカーテンなどは、サードハンドスモークの影響を大きくしやすい物です。
新しく購入する際は洗濯がしやすく乾きやすい素材で作られているものを選ぶことをお勧めします。

禁煙

喫煙者にとって禁煙することは簡単なことではありませんが、健康の害となることには変わりありません。
まずは、喫煙者の方も時には自分の喫煙が自分の身体や周りにどのような影響を与えるのか考えてみることから始めてはいかがでしょうか。

サードハンドスモークの存在を知ることからはじめよう

喫煙は健康への害をもたらすと同時に個人の自由ともいえるため、タバコによる害を排除することはなかなか難しい問題です。
喫煙者の方は、対策にも書きましたが、自分や周囲の健康のためには禁煙への道を歩んでいくのが一番です。
ただし、すぐには難しいという場合は、喫煙する際には時々、自分や他人にどのように影響するかを考えながらタバコと付き合ってみましょう。
そして、禁煙者の方は、近くに喫煙者がいる場合は喫煙者への禁煙を勧めると同時に、喫煙しない場合にどのような害があるのかも知っておくことをお勧めします。

吉野 紗也

吉野 紗也株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

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