人食いバクテリアの正体 ~致死率3割&過去最多の感染者~

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通称、人食いバクテリアと呼ばれているこの菌に感染すると、手足の切断や急激な症状の進行により死に至るケースもあり、致死率の高い感染症といわれている。

2015年、第35週(8/17~8/23)時点での感染者数は299人にのぼり、1999年の調査開始時以降、過去最多となっている。また都道府県別にみると、東京都が一番多く、次いで大阪府、神奈川県となっている。都内においては、第33~35週にかけて、毎週感染者が出ており、今後も動向に注意する必要がある。

 

人食いバクテリアとは

正式名称を「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」といい、レンサ球菌によって引き起こされる感染症である。レンサ球菌は、子どもを中心に咽頭炎などを引き起こすことが多いが、とても身近にいる菌のため、誰にでも感染するリスクがある。

国立感染症研究所の感染者への調査によると、感染経路が不明とされるのが全体の44%、次いで創傷感染が42%、飛沫・飛沫核感染は7%であることがわかった。

現時点では、なぜ劇症化するのかなど発生機序については、詳しいことが解明されていない。しかし、感染者の傷口や創部への直接接触により感染するといわれている。

 

始まりは、風邪のような症状

感染しても、ただ菌を持っているというだけで無症状であったり、風邪のような症状にとどまることが多い。しかし、筋肉だけでなく血液にも入り込むため、そこから全身に回り、重篤な症状に陥る場合もある。

<初期症状>

  • 発熱や喉の痛み、悪寒など(風邪のような症状)
  • 四肢の疼痛や腫脹
  • 創部の発赤

<症状の進行>

  • 筋肉や皮膚など周辺組織の壊死 ⇒ 「人食いバクテリア」と呼ばれる所以
  • 血圧低下や多臓器不全 ⇒ ショック状態 ⇒ 死に至る可能性が高い

また突発的に発症し、症状の進行が非常に急激な場合がある。例えば、皮膚にあった黒い点々が、一晩して気が付いた時には全体に黒く広がっていた、というように急激に症状が広がる。

さらに、壊死により四肢の切断を余儀なくされることもあり、多臓器不全などで、数日で死亡することも少なくない。

 

早期発見と治療が不可欠!

毎年、200人以上の感染者を出している中でその約3割が死亡しており、きわめて致死率の高い感染症とされる。致死率が高いため、重症化を避けるには、早期に治療を開始することが重要である。

治療には、一般的にはペニシリン系の抗菌剤の投与が行われる。先にあげた症状や感染の疑いがある場合は、早急に医療機関を受診するように注意をよびかけている。

 

感染予防はどうしたらよいのか

レンサ球菌は、人から人へ咳やくしゃみによって感染することが多いため、手洗い、うがい、マスクの着用が予防になる。

発症年齢は広範囲にわたるが、基礎疾患をもっている者に多かったとの報告があげられ、免疫力の低下も要因のひとつと考えられている。

そのため、免疫力を上げることも有効とされ、バランスの良い食事、適度な運動、睡眠時間の確保など、規則正しい生活を送ることが重要となる。

また皮膚に傷がある場合は、きちんと消毒し、症状に応じて、医療機関を受診してほしい。

 

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