改正しました!

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労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号)

この法律については、「心理的な負担の程度を把握するための検査及び
面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置」、
いわゆるストレスチェック制度の創設が大きく取り上げられている。

常時50名以上の従業員がはたらく事業場において、
そのすべての事業場が対象となるのだから確かに一大プロジェクトといえる。

また、現時点で実施は努力義務とされている常時働く従業員が50名に満たない
事業場においても、今後義務化される可能性も十分に考えられることから、
企業によっては50名未満の従業員が働く営業所や支店での実施をすでに
決めたところも少なくないはずだ。

※総務省統計局が公表した数字によると、平成27年5月における雇用者数は
 約5600万人。今回の制度では労働者側に受検の義務がないとはいえ、
 今後このすべてが対象となりうる改正といえる。

労働災害を未然に防止する

さて、今回の法改正だが、
「最近の労働災害の状況を踏まえ、労働災害を未然防止するための
仕組みを充実させる」ために行われたとされている。

心の病による労災認定者の数はこのところ増加傾向にある。
2014年度は(前年度より61人多い)497人となったことを考えると、
ストレスチェック制度の創設は、現状を改善しようとする意識の現れともとれる。

しかし、問題視されている労働災害は、何も心の病だけではない。
ストレスチェック制度の創設は今回の改正の目玉であることに変わりは
ないだろうが、その他にも改正はなされている。

◆化学物質管理のあり方の見直し

平成24年に大阪府の印刷事業場で、化学物質の使用により胆管がんを
発症したとの請求がなされたことが記憶に新しい。
改正がなされる前は特別規制の対象外だった化学物質が要因とされる
大阪府でのこの事案等をうけて、特別規制の対象にされていない化学物質のうち、
一定のリスクがあるもの等について事業者に対して、リスクアセスメントを義務付けた。

◆受動喫煙防止措置の努力義務

近年何かと話題にあがっている受動喫煙。
世界保健機関(WHO)では、
「たばこの規制に関する世界保健機関枠組み条約」が2003年に採択され、
その後の「受動喫煙防止のための政策勧告」では、受動喫煙の有害性は科学的に
証明されており、安全なレベルの暴露限界は存在しないこと等をあげ、建物内を
完全禁煙とする立法措置を締約国に求めている。
日本もこの締約国であることからも今回の制定は当然の内容だが、
「事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずることを事業者の努力義務とする」
にとどまっている。

◆重大な労働災害を繰り返す企業への対応

同じ企業において、同じような死亡災害が繰り返される事案は思いのほか多い。
「同じ事業者の異なる事業場で、倉庫内で荷の整理作業中、開口部から墜落して
死亡災害が発生した事例」等がある。
また、過重労働により健康障害や精神障害についても、それぞれ年間約10社
程度が、同社内の異なる事業場において障害を発生させている。
これらをうけて、企業全体で労働環境の改善を図らせるような仕組みを必要と
考え、「改善計画の作成等を指示できる仕組み」と「企業名を公表する仕組み」
が創設された。

その他の内容

今回の改正では上記以外にも次のことが改正されている。

◆外国に立地する検査機関の登録
世界的に貿易の障壁の撤廃に向けた動きに合わせた国際化に
対応する観点により規制の見直しが行われた。

◆労働安全衛生法第88条第1項に基づく届出の廃止
(規模の大きい工場等で、建設物、機械等の設置・移転等を行う場合の事前届出の廃止)
技術水準の向上によって、他の手段で目的が達成されている規制について見直しを実施した。
※ただし、危険な機械等を設置・移転等する場合であったり、
 一定規模以上の建設工事は届出が必要。

◆(粉じん濃度が高くなる作業に従事する際に使用が義務付けられている)
 電動ファン付き呼吸用保護具を、型式検定・譲渡制限の対象に追加する

施行はいつから?

平成26年12月1日
◆労働安全衛生法第88条第1項に基づく届出の廃止
◆電動ファン付き呼吸用保護具を、型式検定・譲渡制限の対象に追加

平成27年6月1日
◆受動喫煙防止措置の努力義務
◆重大な労働災害を繰り返す企業への対応
◆外国に立地する検査機関の登録

平成27年12月1日
◆ストレスチェックの実施等

平成28年6月1日予定
◆化学物質管理のあり方の見直し

事業者の責務

近年の社会情勢の変化や労働災害の動向に即応し、労働者の安全と健康の
確保対策を一層充実するための改正であるのだから、事業者に迅速な対応が
求められているということは、もはや言うまでもないだろう。

溝井 有樹

溝井 有樹株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

難しい法令にについて、かみ砕きながら、企業の衛生管理体制の構築のお手伝いをしていきたいと思っています。

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