
精神障害に係る労災請求・決定件数の推移
平成26年度の精神障害による労災請求件数は1,456件、支給決定件数は497件。
労災請求件数は平成25年度を47件上回り、支給決定件数も61件上回った。
これはいずれも過去最多であった。
また、上記の件数には自殺(含む未遂)による件数も含まれている。
平成26年度の請求件数は213件、支給決定件数は99件。
自殺による件数は平成23年度以降は減少したが、平成26年度は再び大幅増加しての過去最多となった。
時間外労働時間数(1か月平均)別の支給決定件数
平成25年度では436件だった時間外労働者の労災支給決定件数は、
平成26年度には497件に増加。
特に時間外労働「月160時間以上」は、31件から67件と大幅に増加した。
厚労省が過労死のリスクが高まると位置づける「過労死ライン」の残業時間は「月80時間以上の残業」であり、「月160時間以上」はその2倍以上となる長時間残業を行っていることになる。
支給決定件数が増加したことで、長時間労働による労災が認められると社会が捉えれば、それが長時間労働の歯止めとなり、今後の労災減少の一助となるであろう。
参考資料 厚生労働省「精神障害に関する事案の労災補償状況」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11402000-Roudoukijunkyokuroudouhoshoubu-Hoshouka/h26seishin_1.pdf