MERS流行ー日本にいる私たちはどの様に対応する?ー

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韓国にてMERSの流行が拡大

中東にてMERSに感染し発症した一人の男性から、韓国国内で現在も感染者数が増え続けているMERS。
6月8日現在では感染者数が死者5人を含む87人になり、隔離対象が2300名超になるなど、韓国にて国家的なパニックとなっている。
隣国韓国での発症とのことで、MERSに関して不安を持っている人も多いのではないだろうか。
今回は、そのMERSの予防・もしもかかってしまった時はどのように対応したら良いかなどに関して
お伝えできたらと思う。

MERSとは

正式名称を中東呼吸器症候群といい、初めて確認されたのは2012年と確認が比較的最近の感染症である。
MERSは、風邪の原因にもなるコロナウイルスが変異したMERSコロナウイルスというウイルスに感染することにより発症する。
致死率は40%とされ、これまでに確認されたMERS確定感染者1,179人のうち関連死亡者数は少なくとも442人となっている。

ウイルス感染経路は正確には解明されていないが、現在のところ2つの原因が考えられている。
一つ目は、ヒトコブラクダの唾への接触
もう一つの原因としては、今回韓国で国家的なパニックの原因となっている家族間や医療機関における患者間、患者ー医療従事者間などの患者からの唾液などの分泌物を伴う濃厚接触であると言われている。
なお、感染力は比較的弱いとされている。

MERSに感染した際の症状としては、主に発熱・咳・息切れなどのかぜ様の症状が現れ、人により下痢などの消化器症状を伴う。
ウイルスに感染したからといって、必ずしも、重篤な症状が現れるわけではなく時に無症状・軽症の人もいる。ただし、重症化しやすいと言われる糖尿病や喘息などの基礎疾患がある人・50才以上の人はより注意が必要だ。

MERSへの感染を予防するには

MERSは、新たな感染症ということもあり、予防接種・治療薬などはない。
そのため、予防が重要となる。

また、現時点で日本ではMERSの感染・発症報告はない。
そのため予防策としては、現在流行が見られている中東地域・韓国へ渡航、滞在する際には
予防対策をしっかりと行うということが重要になってくる。

厚生労働省から、気を付けるべきポイントとして次の点が挙げられている。

【渡航前】
・基礎疾患がある人は、旅行の前に医師に相談する。
・外務省海外安全ホームページなどで、感染症流行情報を確認する。

【旅行中】
・こまめに手を洗う。
・加熱が不十分な食品(未殺菌の乳や生肉など)や不衛生な状況で調理された料理をさけ、果物・野菜は食べる前によく洗う。
・咳やくしゃみの症状がある人との濃厚接触は避ける。
・できるだけ人混みを避けるか、マスクの着用を励行する。
・らくだとの接触は避ける。

なお、MERSへの感染リスクの高い地域へ渡航した場合、厚労省は潜伏期間中の帰国後2週間は熱をはかることを求めています。

もしも、感染が疑われたら

MERSは韓国で見られるように、感染の一つの原因として感染者との濃厚接触があげられ、
感染を拡大させないためには、感染が疑われた場合すぐに隔離をすることが必要な病気とされている。
ただ、発症後すぐは、かぜや肺炎などとはっきり区別することが難しいという特徴があるため、MERSへの感染リスクが高い地域へ行った後は自分の体調の変化に注意しておく必要がある。

もしも、感染が疑われた場合は・・・
・帰国時に発熱や咳などの症状がある場合は検疫所へ相談
・帰国後2週間以内に発熱や咳などの症状により病院に行く場合は、事前に医療機関・保健所へ連絡し、MERS流行国に滞在していたことを伝える
ことが必要である。

また、現在、厚生労働省より検疫所に対して、日本へMERSを持ち込まないための措置として、韓国からの帰国者や入国者にMERSが疑われる患者を診察、看護、介護したかや患者と同居したか、体液などに接触したか、健康状態はどうかなどの確認を行うよう指示が出され、水際対策が強化されている。韓国などの流行地域から帰国した際には、しっかりと検疫所の確認に対応して欲しい。

正しい対策を

MERSは季節性のインフルエンザのように次々と感染を起こし拡大をしていくことは稀だとして、厚生労働省より韓国で流行しているMERSが日本に流入する可能性は現在のところ低いと言われている。
そのため、MERSウイルスに対して必要以上の恐怖を感じる必要性はない。
ただし、流行は続いているため今後も感染リスクが高い地域へ渡航する際は、先述の予防対策などをしっかり行い、万一感染した場合は周りへの感染を広めないように適切な対応に努めることが必要となる。
また、流行地域へ渡航する機会が多い企業は、社員に向けてMERSとはどういったものかや予防策などの情報提供・注意喚起をすることが、正しい予防対策などへとつながり、有効ではないかと考える。

吉野 紗也

吉野 紗也株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

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