産業医の個人情報の取扱い

女性弁護士

医療分野における個人情報保護について

医師や薬剤師が個人情報を漏洩した場合、一般の職業の方よりも重い裁きになっていることはご存じだろうか?

医療分野における個人情報保護について、平成12年に厚労省がまとめた文中に下記がある。

○ 刑法第134条(秘密漏示)
医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産婦、弁護士、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
http://www.kantei.go.jp/jp/it/privacy/houseika/dai3/3siryou2.html

ここで着目していただきたいのは、根拠の法が【個人情報保護法】ではなく【刑法】となっている点だ。刑法で裁かれる=前科となる。一般の職業よりも重い、という理由がここにある。

機微な情報を扱う

医療従事者や弁護士は一般の職業と異なり、「機微な情報」に触れる機会が多い。

例えば、医師では、患者に対する適切な診断・治療等を行うために患者等から正確かつ詳細な情報を得ることが不可欠。

※「機微な情報」とは名前や住所、電話番号等ではなく、その人があまり知られたくないと感じている以下のような情報。

 ・思想、信条又は宗教に関する事項
 ・人種、民族、門地、本籍地(所在都道府県に関する情報を除く。)、
  身体・精神障害、犯罪歴その他社会的差別の原因となる事項
 ・勤労者の団結権、団体交渉その他団体行動の行為に関する事項
 ・集団示威行為への参加、請願権の行使その他の政治的権利の行使に関する事項
 ・保健医療又は性生活に関する事項

産業保健の現場では

もちろん産業医も医師であるため、個人情報の取扱いには前述同様の扱いを受ける。

生命や財産に致命的な損害が与えられることが明白だと判断される場合を除き、本人の同意なしで情報を漏洩させることは許されない。

過去に比べ、労働安全衛生法の改正もあり、メンタルの問題はデリケートに扱われているケースは増えてきた。しかしながら、健康診断の結果に関しては、未だに郵送等で産業医の自宅に送られてチェックを依頼したりしている。

もしそのような運用を行われているのであれば、医師の個人情報漏洩のリスクを考え、再度検討されてみてはいかがだろうか?

杉井 将紘

杉井 将紘株式会社ドクタートラスト 経営企画部 部長

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