スズメバチに出会った時の対処法
- 2014/8/28
- 労働環境

8月9月となると、必ずと言っていいほど、スズメバチの死傷事故がニュースで報道される。
都内のオフィスならそんなに出会うことはないだろうと油断をしていると、実は緑の多い公園や庭の隅に巣を作ったスズメバチが、迷い込んでくることがないとは言い切れない。
もし、オフィスの中にスズメバチが入ってきてしまったら?もし刺されてしまったら?
今回はスズメバチの対処法について紹介したい。
スズメバチの危険性
スズメバチの種類は、約70種。内、16種が日本国内に生息するスズメバチである。
攻撃性が強く、最も危険とされているのはオオスズメバチ。私たちが思い描く、大きくてオレンジ色がかった色をした蜂がオオスズメバチであろう。他にも、オオスズメバチよりも小型で、飛んでいるときは赤色がかって見えるキイロスズメバチなども十分危険な蜂と言える。
この8月9月は働き蜂が最も活性化する時期。
そのため、知らずに巣のそばに近よる等して、不意に襲われるといった被害が絶えないのである。
もし蜂がオフィスの中に入ってきたら
スズメバチがもしオフィスの中や車の中に入ってきてしまったら、下記の行為に注意する必要がある。
・決して触らない
・手で払うなど、スズメバチを刺激するような行動は可能な限り避ける
・窓を全て開ける等、自然と出ていくことができるような環境にし、密室性を下げる
もしオフィスをや車の中を飛び回るスズメバチが「特定の人物の周りをぐるぐるとまわる」「顎をカチカチを鳴らす」「狙いをつけるように空中で静止する」こういった行動をしていたら要注意である。
敵とみなし、攻撃態勢に入っている証拠なので、迷わずその場から離れる方がよいだろう。もし車の中であれば、安全な場所に車をとめ、車外に出るなどの対応をしよう。
また逃げる場合には可能な限り体を低くし、低姿勢のまま蜂に背を向けないよう、後ずさりするように移動する。蜂を刺激しないため刺される危険性が少なくなる。
もし蜂に刺されてしまったら?
一番危険なのが、刺されてしまい、アナフィラキシーショックを起こしてしまった場合である。
もし誰かが刺されてしまったら、意識がもうろうとしていないか等確認を最優先として行う。
他にも呼吸困難、血圧の低下などのショック症状が見られると大変危険な状態と言える。
アナフィラキシーによる死亡例は、ほとんどが刺されてから1時間以内に死亡が確認されている。万が一全身にアレルギー症状が出た場合は一刻も早く病院で応急手当を受ける必要がある。
時は一刻を争う場合もあるので、ためらわず、必ず救急車を呼ぶ等の対処を迅速に行うべきである。
救急車が来るまでに行うべき応急処置
直接の死因としてもっとも多いのは、喉等、気管の浮腫による窒息死である。
応急処置として気道の確保(仰向けに寝かせ、上を向かせるようにする等)また、おう吐がある場合は、さらに顔を横に向けるなど、必ず呼吸・気道を確保する必要があるだろう。
またもし、社内にアドレナリン携帯自己注射キット(エピペン)等がある場合には、直ちに自己注射を行うことで、症状を緩和させることもできる。
その他の症状緩和が期待できる行為
1、毒を取り除く
刺されたらすぐに毒を吸い出し、体内に取り込まれる毒をできるだけ少なくする必要がある。その際、よく見るような口で吸い出すような行為は決して行ってはならない。二次被害を発生させる危険性があるため、必ず指でつねって絞り出すようにする。
2、傷口を冷やす
はれや痛みには、刺された場所をひょうのうなどで冷やすのも効果的である。これにより、毒の回りを遅くすることができる他、痛みをマヒさせる効果もある。
3、薬を使う
はれや痛みがひどいときは、ステロイド軟膏を塗ったり、抗ヒスタミン剤を服用することが効果的である。また、アンモニアや尿を塗るといった方法をまれに言う人がいるが、これは効果がないばかりか雑菌が入るなど悪化させる可能背が高いので、絶対に行ってはならない。
以上のことを頭に入れておくことで、被害を最小限に抑えることができるだろう。
しかし、周りの人の迅速な対応が、刺された人の命を左右することになるのだということは覚えておく必要があるだろう。自身の身、そして同僚の身を守るためには必ず忘れないようにしよう。