持ち帰り残業のリスク。~給料は払うべき?~

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日本の景気も回復してきたとの報道もあるが、まだ不況を抜け出せたとは言えない状況である。
そんな中会社の経費を削減し、残業代を抑えるために、残業を禁止する企業は多い。
企業の中には一定時間を超えると出入り口の鍵を閉めたり、オフィスの電気を止めることで
残業をさせないようにしているところもある。

そんな中、「仕事が終わらないけれど、残業できない…」という社員が
仕事を自宅に持ち帰り、労働時間外にも関わらず仕事をするということがある。
これを風呂敷残業、または持ち帰り残業などと言う。

持ち帰り残業をした従業員に賃金の支払いをするべきなのか

◆社員が自主的に持ち帰り残業をした場合
自主的に行った場合は上司の指揮監督下にはあたらず、時間や場所も拘束されていない。
この場合は労働時間には当たらないので、賃金の支払いはしなくてもよい。
しかし、
・持ち帰り残業を黙認していた場合
・従業員の勤務時間内に終わらないくらい膨大な量の仕事を与えた場合
上記の場合は、暗に上司が「持ち帰り残業を命じていた」と判断され、賃金を支払う必要がでてくる可能性がある。

◆上司が仕事の持ち帰りを命じた場合
この場合は雇用者あるいは上司の指揮監督下にあたるため、賃金の支払いをしなくてはならない。
そして持ち帰り残業が原因で社員が過労死などになった場合は、
仕事をしていた場所は自宅であっても労働時間と認められ、労災認定される場合もある。

賃金を支払うべきかどうかの基準に関しては、
雇用者・上司の指揮監督下にあるかどうかという点がポイントとなる。

持ち帰り残業は企業側に大きなリスクがある

現在の日本企業の中には、持ち帰り残業を行わせている企業も少なくはない。
この持ち帰り残業は過労死などの労災発生の可能性だけではなく、情報漏えいの危険性もある。

近年パソコンやスマートフォン、タブレット等の普及により、どこにいても仕事ができるようになったが、
それらの普及に伴い、顧客情報が流失するという事件が多々ニュースで報道されるようになった。
顧客情報等の漏えいは企業の信用を大きく落としてしまうため、
情報漏えいの原因の一つとなりうる持ち帰り残業は、企業としても避けるべきだろう。

持ち帰り残業を防ぐためには、業務時間の間に仕事を終わらせられるように
しっかりと従業員の仕事量をコントロールすることが大事である。

山川 加奈子

山川 加奈子株式会社ドクタートラスト 産業保健部

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